『人は生きたように死んでいく』とは?柏木哲夫と大坂巌の言薬®に学ぶ【ホスピス・訪問看護】

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「人は生きたように死んでいく」──ホスピス医として2,500人以上の患者を看取ってきた柏木哲夫先生の言葉です。
そして、「納得できる生き方をした人が納得した死を迎えられる」と語るのは、大坂巌先生。
二人の医師が現場で実感してきたのは、死は生の延長線上にあるという真実でした。
訪問看護の現場でも、この言葉の重みを実感することがたびたびあります。
本記事では、この二つの言薬®を手がかりに、“生き方と死に方”の関わりを見つめ直していきます。
目次
💬 今日の言薬®
「人は生きたように死んでいく」──柏木哲夫
この言葉の背景
柏木哲夫先生(淀川キリスト教病院名誉ホスピス長・大阪大学名誉教授)は、長年ホスピス医として多くの患者を看取り、「人は生きたように死んでいく」という最も大きな学びにたどり着きました。
同じくホスピス医の小野寺時夫先生も、「人は生きたようにしか死ねない」と表現し、最期にはやはり“その人らしさ”がにじみ出るのだと語っています。
性格と生き様は最期まで続く
死を前にしても、人の性格や人生観が急に変わることはありません。
日頃から感謝を大切に生きてきた人は、やはり感謝の言葉を口にしながら旅立っていきます。
逆に、不平や否認の思いを抱えて生きてきた人は、その心のまま最期を迎えることも少なくありません。
「小さな死」を乗り越える力
柏木先生は、「人は人生の中で繰り返す“小さな死”(喪失体験)をどう乗り越えてきたか」によって、本当の死に向き合う力が培われると説きます。
- ⚫︎「できなかったこと」「失ったもの」を受け入れてきた人は、死をも「あきらめ=明らかに極める」として受け入れる。
- ⚫︎逆に失敗や喪失を避けて生きてきた人は、死を否認し続けて苦しむこともある。
訪問看護の現場で感じることは、向き合い方は十人十色、それぞれの物語は唯一無二だということです。周囲に迷惑をかけたくないと思っている方が大多数いらっしゃることでしょう。しかし、その人との関わりの中で、より穏やかな死を迎えられた経験をしてきたからこそ、伝えたい真実があります。
富や権力は無力
人生で積み上げてきたものの多くは役に立ちます。
けれども「死」の前では、富や権力の力は無力です。
だからこそ、「どう生きるか」という問いが残されるのです。
今日を生きる言薬®「納得できる生き方をした人が納得した死を迎えられる」──大坂巌
大坂巌先生もまた、ホスピス・緩和ケアの現場からこう語ります。
「納得できる生き方をした人が、納得した死を迎えられる」
人生の最終章で「食べたいものを食べる」「自分の好きな場所で過ごす」──。
一見するとごくシンプルな願いのように見えます。
けれども、その願いを自分の意志として貫き、周囲がそれを支えきること。
そこにこそ“納得する生き方”の本質があるのだと先生は語ります。
訪問看護の現場でも、「家で過ごしたい」「家で過ごさせたい」という願いに寄り添うことの大切さを、多くの利用者さんから教えていただきます。
その願いを支えることは、最期の時間だけでなく、その人の“生き方”全体を尊重することにつながっているのです。
この二つの言薬®から学ぶこと
- 限りある時間を大切にする
「死」と向き合うことは「生」と向き合うこと。
クロノス(量的な時間)ではなく、一瞬一瞬のカイロス(質的な時間)を大切にする生き方が求められます。 - 人生会議(ACP)のすすめ
自分らしい最期を迎えるために、「どんな医療やケアを望むか」を繰り返し話し合うことが大切です。それは単なる準備ではなく、人生の価値観を大切な人と共有する営みです。 - ユーモアを忘れずに
恐れや不安を笑いに変えるユーモアは、死を和らげるだけでなく、生を豊かにする力を持っています。
🏠オハナな縁側から、ひとこと
縁側で過ごすように、日々の暮らしをていねいに重ねていくこと。
その積み重ねこそが、やがて「その人らしい最期」を形づけていきます。
オハナが出会ったご縁の中でも、この言葉の通りだと感じることがありました。
物語の結末は誰にもわからないまま伴走し、振り返ってみると──
その方の日常に確かに「その人らしさ」が彩られていると気づかされるのです。
「人は生きたように死んでいく」。
そして「納得できる生き方が納得した死につながる」。
この二つの言薬®は、死を怖れるためではなく、
むしろ いまという時間をどう生きるか を静かに問いかけてくれます。
オハナなおうちは、これからも“生きる支え”を分かち合える縁側であり続けたいと思います。
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オハナなおうちと言薬®の出会い
私たち「オハナなおうち」が、この【言薬®】に出会ったのは、大坂巌先生の緩和ケアのご講演でした。
「思いやりのある肯定的な言葉は薬になる」という先生の信念に触れたとき、心がすっと軽くなったのを今も覚えています。
日々の訪問や暮らしのなかで、変わらずいただける“ご縁”があります。
それは人との出会いだけでなく、言葉との出会いもまた、とてもありがたいものです。
言薬®との出会いは、私にとって貴重な体験でした。
その一つひとつに込められた思いが、私自身の願い──「小さなオハナなおうちであっても、大きなやさしさを届けたい」という想い──と重なったのです。
以来、オハナなおうちではInstagramやブログを通して、この「言薬®」を“心のお薬箱に入れておける常備薬”としてお届けしています。
📖大坂巌医師の新刊『納得する生き方』
大坂巌医師は、20年以上にわたり5,000人以上の患者さんとご家族に寄り添ってきた緩和ケア医です。
「言葉は薬になる」と信じ、【言薬®】を提唱し、医療現場にやさしさを取り戻すことをライフワークとしています。
その集大成となる一冊が、
『納得する生き方:明日死ぬとしたら、あなたは今日、どう生きますか?』(KKロングセラーズ、2025年8月26日発売)です。
本書は、
- 人生の最終章ににじみ出る「その人らしさ」
- 病や死に直面するからこそ見えてくる「本当の願い」
- 今を大切に生きるための「言葉の力」
を丁寧に綴り、「自分らしく生ききるヒント」を私たちに届けてくれます。
💬よかったらコメント欄で教えてくださいね
「本当はしんどかったけど、ふと楽になれた瞬間」って、最近ありましたか?
もしあれば、ぜひコメントやDMでシェアしてくださいね。
あなたの言葉が、誰かの心に風を届けてくれるかもしれません。
💊言薬®(ことぐすり)とは、
緩和ケア科の医師の大坂巌氏が提唱した「思いやりのある肯定的な言葉は薬になる」という考え方です。オハナなおうちInstagramリール投稿等の名言をまとめました。それをオハナなおうちの言薬として、言葉のお薬箱の中に常備薬として入れておきます。疲れた時、癒されたい時、励まして欲しい時、頑張れない時、心が辛いときに、是非言薬を服用ください。そして大坂先生が提唱されているように、私たち一人ひとりが言薬を持ち寄り、大切な方や関わる方に思いやりの心をそえる言葉を伝えることができたのなら、おたいさまのしあわせが広がっていくと信じています。神スキルである言葉が、人々の幸せへと浸透していきますように。
🏷️ 『オハナなおうちの常備薬:言薬®を使用の際の注意』
言薬®は、副作用の少ないやさしいおくすりですが、ご使用の際は以下の点にご注意ください。
⚠ 使用上の注意
- ● 効き方には個人差があります。
無理に「いい言葉だと思わなきゃ」と頑張らなくても大丈夫です。
読んでもピンとこない日は、お茶でも飲んで寝ましょう。 - ● 即効性を期待しないでください。
じわじわと、後から効いてくることもあります。
思い出したときに、ふと心が軽くなるタイプのお薬です。 - ● 言葉に反応して泣けてしまうことがありますが、
それは正常な作用です。むしろデトックス効果が期待されます。 - ● 言薬®は、ご自身だけでなく、まわりの人に分けても大丈夫です。
ただし、押し売りは禁物。そっと差し出すくらいがちょうどいいです。
🌿 保管方法
- あたたかい気持ちのあるところで保管してください。
- 冷蔵の必要はありませんが、冷えた心には常温でじんわり効きます。
❤️ 万が一効きすぎた場合
- ほほえみが止まらない、他人にやさしくしたくなるなどの症状が出ることがあります。
- その場合は安心して、そのままお過ごしください。
まとめ
バーチャルシェアハウス オハナなおうちは、みんなの居場所です。今日も楽しい時間をありがとうございました。会えてうれしかったです。いつでも寄ってくださいね。
リビングルームにはコメント欄がありますので、心がしんどい時に元気になれる好きな言葉を教えて下さいね。
お気をつけてお帰り下さいね。また、お待ちしてます。