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0歳児をも笑顔にする魔法──かがくいひろしが絵本に込めた「生きる力」と「だるまさん」の秘密【オハナな図書室】

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大変な世の中だからこそ、絵本でみんなを笑わせたい

赤ちゃんの笑い声ほど、まわりをやわらかくする音はありません。
その笑顔を引き出す魔法のような絵本があります。

絵本作家・かがくいひろしさん(1955-2009)
わずか4年間という短い活動期間で16冊もの絵本を生み出し、今なお多くの親子に愛され続けています。
なかでも代表作の**『だるまさん』シリーズ**は、累計900万部を超えるミリオンセラー。
ページをめくるたびに、赤ちゃんの顔がほころび、親もつられて笑ってしまう──
そんな奇跡のような瞬間を生み出す一冊です。

📚 絵本情報
📖 書名 だるまさんが (「だるまさん」シリーズ 第1作)
🖋 著者 かがくいひろし(本名:加岳井広)
🏢 出版社 ブロンズ新社
📅 発行年 2008年1月刊行
💬 内容紹介 赤ちゃんから大人まで笑顔にする、ミリオンセラー絵本シリーズのはじまりの1冊。「だ・る・ま・さ・ん・が……」のリズミカルなフレーズに続き、ページをめくるたびに「どてっ」「ぷしゅー」「にこっ」とユーモラスな動きが展開されます。

特別支援学校の先生として28年間子どもたちと向き合った著者が、
「年令もことばも関係なく、だれもが楽しめる」
という思いをこめて生み出した作品。
“赤ちゃんが初めて声を出して笑う絵本”として、今も多くの家庭で愛されています。

\生きる力に気がつかせてくれる一冊/

「だるまさん」シリーズの魅力──リズムがつなぐ心と心真髄5つの視点

「だ・る・ま・さ・ん・が……」
そのリズミカルなフレーズのあとに訪れる、「どてっ」「ぷしゅー」「にこっ」
シンプルな言葉と擬音が、赤ちゃんの“笑いのツボ”をくすぐります。

声に出して読むと自然にテンポが生まれ、読む人の表情も豊かになります。
膝の上で一緒に揺れたり、絵本をゆらしたり──その動きが親子のスキンシップへと変わります。
この絵本が「初めて声を出して笑った一冊」になる子が多いのも、うなずける話です。

3部作の中で、
 ⚫︎『だるまさんが』は動き、
 ⚫︎『だるまさんの』はからだ、
 ⚫︎『だるまさんと』は友だちとの関わり、を描いています。

どのページも、ことばを超えて伝わる喜びで満ちていて、読むたびに「人と笑い合う幸せ」を思い出させてくれます。

笑いの根っこにある「エンパワメント」の思想

かがくいひろしさんは、28年間にわたって特別支援学校の先生として子どもたちと向き合ってきました。その経験から生まれたのが、

「独りよがりの創作ではなく、人との関係の中で相手の力を引き出す」
という信念。

生徒一人ひとりの特性に合わせて教材を手作りし、音・リズム・動きを使って表現する授業を工夫していたそうです。
彼が生み出した「パスタ絵本」や人形劇団「つくし劇場」は、障がいのある子も楽しめるようにと考え抜かれたものでした。

教室の笑い声、温かなまなざし、そして81冊にもおよぶアイデアノート。
それらのすべてが、「子どもたちを笑わせたい」というまっすぐな願いの結晶でした。

生きる力を育む「笑い」の哲学

かがくいさんはこう語っています。

「今の子どもたちは、夢を描きにくい時代を生きています。
だからこそ、悲しい絵本ではなく、踏ん張って笑える絵本をつくりたい。」

笑いは、ただの反応ではなく、“生きる力”そのもの
その瞬間、人の心はしなやかにほどけ、もう一歩進む勇気がわいてくる。

彼の大学時代のノートには、ドイツのベテル修道女の言葉が書かれていました。

「この子どもたちは、毎日毎日が人生です。
その人生を喜びとともに生きることが大切なのです。」

これはまさに、「オハナなおうち」が大切にしている想い──
成果よりも、「今をともに喜び、支え合う」エンパワメントの原点と響き合います。

【展示情報】かがくいひろしの世界展 in 旭川美術館

現在、全国を巡回中の「かがくいひろしの世界展」が、旭川美術館にて開催中です。

原画の展示だけでなく、未完のラフスケッチや教員時代の資料、81冊のアイデアノートまで。
「だるまさん」の笑顔の裏側にある、深い想いを感じられる展示になっています。

北海道にお住まいの方はもちろん、旅行の途中でも、ぜひ足を運んでみてください。
きっと、絵本を開いたときのように、心がふっとあたたまる時間になるでしょう。

しかも、写真撮影OKなんですよ!!

(最新情報は旭川美術館公式サイトをご確認ください)

🏠オハナな縁側から、ひとこと

かがくいひろしさんの絵本は、
「誰もが笑い合える居場所」を描いていたのだと思います。

その笑顔の連鎖は、
病室でも、リビングでも、そしてこの“オハナなおうち”の縁側でも──
そっと続いています。

あなたのまわりにも、
「だるまさんが」「ぷしゅー」と、
今日も小さな笑いが生まれていますように。

偶然に、かがくいさんの世界観に触れられたことが、私の大きな出会いとなりました。

📚この本を、こんな方に届けたい

  • ⚫︎日々のケアの中で、笑顔の時間を取り戻したいと思っている方
  • ⚫︎言葉をかけるよりも、「ただそばにいる」ことの大切さを感じている方
  • ⚫︎子どもや孫、患者さん、利用者さんとの関わりに悩んでいる
  • ⚫︎がんばりすぎて、ふと「もう笑えないな」と感じている方

「だるまさんが」「どてっ」「ぷしゅー」──
ただそれだけのことばなのに、
そこには“生きるって、こんなに愛しい”というメッセージが詰まっています。

赤ちゃんが声をあげて笑うその瞬間、
見守る大人の心も、いつのまにかほどけていく。
この絵本は、言葉よりも先に笑顔でつながる力を教えてくれます。

「ケアの現場で、どう言葉をかければいいか分からない」と悩む人にこそ、
一度ページをめくってほしい一冊です。
かがくいひろしさんが描いたのは、
“伝わってないようなのに、ちゃんと届いている”という信頼の形。

だるまさんが転んでも、また起き上がるように──
私たちも何度でも、笑顔で立ち上がれる。
その姿を見て、誰かの心にそっと灯がともります。

📚オハナなおうちから、本のご紹介とお願い

オハナなおうちでは、
人生に寄り添ってくれるような一冊を、
管理人の“イチオシ”としてご紹介しています。
今日も、小さなあたたかさが、あなたのもとに届きますように。

🌼あなたの「オハナな本」、教えてください

オハナなおうちは、ひとりでがんばらなくていい場所。
そんな“おうちの本棚”を、みなさんと一緒に育てていけたらうれしいです。
看護・介護の本に限らず、心がほっとした本や、優しさを思い出せたような一冊があれば、ぜひ教えてくださいね。

📮 投稿方法:

  • Instagramで #オハナな図書室 をつけて投稿
  • または、ブログのお問い合わせフォームからも受付中です

あなたの「心に残った本」が、きっと誰かの支えになります。


#オハナなお家の視点から
#認知症とともに生きる
#ともに暮らす支援
#できる力を信じて
#寄り添うとは
#その人らしさを支える

また会える日を心待ちにしています。

バーチャルシェアハウス オハナなおうちは、みんなの居場所です。今日も楽しい時間をありがとうございました。会えてうれしかったです。いつでも寄ってくださいね。リビングルームにはコメント欄がありますので、何かリアクションしていただけたら励みになります。お気をつけてお帰り下さいね。また、お待ちしてます。

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