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『あなたにもできるスピリチュアルケア』小澤竹俊|苦しむ人にそっとそばにいる力を【オハナな図書室】

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誰もが実践できる“そっとそばにいる力”

「周りに迷惑をかけたくない」「死を前にした大切な人に、どう声をかければいい?」
──もし、そんな不安や戸惑いを抱えているなら、この一冊があなたの視点を変えてくれるかもしれません。本書では訪問看護師ナナさんが支援するの苦しみにどう声をかけていいのか途方に暮れ、在宅医の先生に相談することから始まります。豊原亮子さんのほんわかイラストがたくさん散りばめられていて、本が苦手な方でもわかりやすく大切なメッセージがわかりやすい仕様になっています。

めぐみ在宅クリニック院長の小澤竹俊氏が贈る『あなたにもできる スピリチュアルケア』は、死を前にした人の苦しみに寄り添い、誰もが実践できる“そっとそばにいる力”を教えてくれる本です。小澤先生は『最初はグー』とじゃんけんの始め方が全国に自然と広がったように、このスピリチュアルケアもそうなればと祈っています。人生の困難は避けることができません。その困難と向き合うための『最初はグー』、スピリチュアルケアが穏やかさを取り戻せる鍵となることをたくさんの人に知ってもらいたいのでお勧めします。

📖 書名:あなたにもできる スピリチュアルケア
🖋 著者:小澤 竹俊 氏(めぐみ在宅クリニック院長/一般社団法人エンドオブライフ・ケア協会 代表理事)
🏢 出版社:医学書院
📅 発行年:2024年12月26日
内容紹介:
専門知識や臨床経験がなくても、わかりやすい言葉と真似しやすい方法で、死を前にした人の心に寄り添う「スピリチュアルケア」を解説。

\大切な支えに気がつかせてくれる一冊/

苦しむ人が教えてくれた「スピリチュアルケア」の真髄5つの視点

1. 「もう死にたい」は、見捨てないでほしいサイン

励ましや説明では届かない言葉に対して必要なのは、「わかってくれる人」として傍にいること

2. 苦しみは「全人的苦痛」──特に「スピリチュアルペイン」に注目

身体的・精神的・社会的な痛みに加えて、「なぜ自分だけがこんな思いを?」という意味や価値の喪失が深い苦しみを生む。

3. 「解決」ではなく「共にある」覚悟

スピリチュアルペインには特効薬はない。必要なのは**「解決」ではなく「覚悟」**。
「見放さず、一人ではないと伝え続けること」がケアの核心。

4. 「支え」を見つけ、穏やかさを取り戻す

将来の夢、家族とのつながり、自己決定の自由──人それぞれの支えに気づくことで、人は再び穏やかになれる。

5. 「存在価値」を信じて、ただ傍にいる

役に立つからではなく、「大切な存在」であること自体を支える
相手の言葉を丁寧に「反復」することが、信頼関係を築くカギ。

🏠オハナなおうちの視点から

「オハナなおうち」が大切にしているのは、“支援する”一方的なことではなく“ともに支えあう”という関わりです。スピリチュアルケアもまた、「相手の“できる力”を信じて寄り添う」ことにあります。特別な資格や経験がなくても、耳を傾け、そばにいるだけで支えになれる
それは誰にでもできる小さな一歩であり、大きな意味を持つケアなのです。

小澤竹俊先生からのメッセージ

解決が難しい苦しみを抱えた患者さんと関わる中で、
どんなに丁寧に対話を重ねても、相手の力になれないことがあります。
それはとても苦しいことです。

「仕事を辞めたい」「自分にはこの仕事は向いていない」
──そう思うこともあるでしょう。

でも、苦しいからこそ、大切な自分の支えに気づくことがあります。
自分を支えてくれる誰かの存在に気づく時、あなたはきっと、
逃げることなく、解決が難しい苦しみを抱えた人と関わり続けることができます。

誰かの支えになろうとする人こそ、一番支えを必要としています。

一緒に、がんばりましょう。―― Toshi

🏠オハナな縁側から、ひとこと

「スピリチュアルケア」という聞き慣れない言葉に、最初は距離を感じていた私。けれども本を読み進めるうちに、それは難しいものではなく、“縁側に並んで座るように、そっとそばにいる力”だと気づきました。

誰かの苦しみにすぐ答えを出せなくても、
一緒に時間を過ごすことそのものが支えになるのだと思います。

思い出の中に、そっと息づくやさしさ。それを手渡しあえる日々を、これからも大切にしていきたいです。

📚この本を、こんな方に届けたい

  • 「もう死にたい」「迷惑をかけてばかり」といった言葉に、どう応えればいいか悩んでいる方。
  • 死を前にした家族や大切な人に寄り添いたいと思う方。
  • 医療者・介護職者・地域の支援者など、人の苦しみに携わるすべての方。
  • 「人の苦しみに寄り添うこと」に自信が持てず、戸惑いを感じている方。
  • どうしようもない困難に絶望している方や不安がある方。

この本は、特別な資格や経験がなくても「そっとそばにいる力」が誰にでもあることを教えてくれます。たくさん看取りをしてきた小澤先生だからこそ、避けられない困難であっても穏やかさを取り戻すことができる力を引き出す大切さを知っているのです。

📚オハナなおうちから、本のご紹介とお願い

オハナなおうちでは、
人生に寄り添ってくれるような一冊を、
管理人の“イチオシ”としてご紹介しています。
今日も、小さなあたたかさが、あなたのもとに届きますように。

🌼あなたの「オハナな本」、教えてください

オハナなおうちは、ひとりでがんばらなくていい場所。
そんな“おうちの本棚”を、みなさんと一緒に育てていけたらうれしいです。
看護・介護の本に限らず、心がほっとした本や、優しさを思い出せたような一冊があれば、ぜひ教えてくださいね。

📮 投稿方法:

  • Instagramで #オハナな図書室 をつけて投稿
  • または、ブログのお問い合わせフォームからも受付中です

あなたの「心に残った本」が、きっと誰かの支えになります。


#オハナなお家の視点から
#認知症とともに生きる
#ともに暮らす支援
#できる力を信じて
#寄り添うとは
#その人らしさを支える

また会える日を心待ちにしています。

バーチャルシェアハウス オハナなおうちは、みんなの居場所です。今日も楽しい時間をありがとうございました。会えてうれしかったです。いつでも寄ってくださいね。リビングルームにはコメント欄がありますので、何かリアクションしていただけたら励みになります。お気をつけてお帰り下さいね。また、お待ちしてます。

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