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Not For Long。だから人生は、いま。 ──二度“終わり”を見た青年と緩和ケア医が教えてくれた「明日は当たり前じゃない」真実【言葉のお薬箱】

なぜ「明日があって当たり前」と思ってしまうのか

私たちが抱える“明日への油断”

私たちは、毎朝起きて、生活を始め、
一日を積み重ねていくことを“当たり前”と思いがちです。

  • 今日も仕事がある
  • 今日も学校がある
  • 今日も家族がいる

そして、ほぼ無意識に
「きっと明日も同じように続いていく」
と信じています。

だけどこの感覚は、
「人生がそうあるはず」という希望的観測であって、
保証されたものではありません。

訪問看護の現場では、
“昨日まで元気だった人”が突然入院したり、
“明日会えると思っていた人”に会えなくなることもあります。

当たり前は、思っている以上に儚い。
でも、人は日常に慣れれば慣れるほど、その儚さを忘れてしまうのです。

日常の繰り返しが生む思い込み

毎日が似たように過ぎていくと、
「今日が続く未来」を自動的に想像してしまいます。

  • 同じ道を通り
  • 同じ職場に行き
  • 同じように食事をして
  • 同じように眠る

この“繰り返し”が、
「今日と同じ明日」を無意識に保証してしまう。

けれど実際は、
同じに見える毎日も、
ほんの少しずつ、確実に変わっています。

身体も、心も、環境も、人間関係も。
そして命の灯りも。

目に見えない変化に気づけるかどうかは、
「今日」をどれだけ丁寧に見つめられるかで変わります。

20歳の青年が体験した「Not For Long」という真実

父との突然の別れ──“当たり前”が崩れた瞬間

NFL選手・チグ・オコンクウォが最初に経験した「終わり」は、15歳のときでした。

父は、チグに努力と誠実さを教えてくれた大切な存在。
いつも通りの夕食に出かけたその夜、
突然の心臓発作で倒れ、帰らぬ人となってしまったのです。

  • 予兆はなかった
  • 会話をしたのは、たった1時間前
  • 「また明日」が当然あると思っていた

この経験は、
“当たり前”がいかに脆いかをチグの心に深く刻みました。

彼は後に、こう語ります。

もっと “いま” を感謝して生きていればよかった。

父は、彼がフットボールで活躍する姿を見ることなく旅立ちました。

心筋炎と6ヶ月の静止──夢が止まった20歳の時間

5年後。
大学でスター選手として成長していたチグは、
ある日突然、激しい胸痛に襲われます。

診断は、心筋炎
半年間の完全静養。
心拍数の上昇すら許されない日々。

20歳という、最も強く、最も走れるはずの年齢で
“何もできない”時間を過ごした彼にとって、
これは人生の方向が止まるような感覚でした。

「15年積み上げてきた夢は、ここで終わるのだろうか。」

“続くはずの未来”が一瞬で消える恐怖。
二度目の「生の揺らぎ」でした。

「人生は長くいられない」と気づいた理由

やがて復帰できたチグは、
しっかりと地面を踏むような声で語ります。

「人生は、本当に一瞬で変わる。
だから、毎日を最大限に生きなければならない。」

そしてNFLの頭文字をこう読み替えました。

「Not For Long(長くはいられない)」

人生も同じ。
どれほど順調に見えていても、
“続く保証”なんてどこにもない。

だからこそ彼は――

  • 暑い日も
  • 苦しい練習も
  • 失敗も成功も

ぜんぶ「今日を生きている証」として大切にするようになりました。

大坂巌医師が語る「死の入り口」から見えたもの

「明日があって当たり前と思うことから卒業しよう」の本当の意味

緩和ケア医・大坂巌先生
『納得する生き方』でこう語っています。

「明日があって当たり前と思うことから、そろそろ卒業しよう。」

この言葉は、
先生自身が“自分の死の気配”を感じたときに
やっと腑に落ちたものだと言います。

死を感じるというのは恐怖ではありません。
むしろ、
今日という一日の輪郭を、くっきり浮かび上がらせる視点になるのです。

“死の気配”が教えてくれた、人生の濃度を上げる視点

死を意識すると、
今まで見えなかったものが急に見えてきます。

  • 今日の呼吸のありがたさ
  • 誰かと交わす「ありがとう」のぬくもり
  • そばにいる人の存在の大きさ
  • 生きていること自体の奇跡
  • 自分が本当に大切にしたかったこと

大坂先生は、数えきれない患者さんの最期を見届けるなかで、
人が死の入り口で得る気づきを、
「生きている私たちの人生」に返してくれています。

後悔の多くが語る「もっと丁寧に生きればよかった」

先生が見つめてきた多くの人生の終わりには、
ある共通する後悔がありました。

「もっと丁寧に生きればよかった。」

  • 言葉を大切にすればよかった
  • 向き合う時間をもっと作ればよかった
  • 大切な人に素直であればよかった
  • もっと自分を大事にすればよかった

命の危機に瀕したとき、
人はようやく本当に大切なものを思い出すのだと思います。

だからこそ大坂先生は言います。

「いまなら、まだ間に合う。」

【今日の言薬®】「Not For Long。だから人生は、いま。」

これは“焦れ”という意味ではありません。
むしろ、穏やかに、深く気づくための言葉です。

  • 今日という一日には、終わりがある
  • 明日は「きっと」ではなく「もしも」である
  • だからこそ、今日の一瞬に心を込めてみよう

生き急ぐのではなく、
生きているいまを、ていねいに味わうこと。

今からできる3つの小さな一歩(ありがとう・深呼吸・先延ばしをやめる)

今日を生きる力は、大きな行動ではありません。

  1. ありがとうを、今日伝える
  2. 深呼吸をひとつして、いまを感じる
  3. 「また今度」を、今日ひとつだけやめてみる

これだけで、人生の濃度は少しずつ上がっていきます。

🍊オハナなこたつから、ひとこと

今日を大切に生きるための“やわらかな視点”

こたつに入ると、
ふだんの一日がゆるっと温まるように感じます。

明日も続く“はず”の今日。
でも、その続きは誰にも約束されていません。

だからこそ、
今日をそっと大切に扱うことは、
自分にも誰かにもやさしい生き方
なんだと思います。

あなたの一日が、
そのやさしさで満たされますように。

オハナなおうちと言薬®の出会い

私たち「オハナなおうち」が、この【言薬®】に出会ったのは、大坂巌先生の緩和ケアのご講演でした。
「思いやりのある肯定的な言葉は薬になる」という先生の信念に触れたとき、心がすっと軽くなったのを今も覚えています。

日々の訪問や暮らしのなかで、変わらずいただける“ご縁”があります。
それは人との出会いだけでなく、言葉との出会いもまた、とてもありがたいものです。

言薬®との出会いは、私にとって貴重な体験でした。
その一つひとつに込められた思いが、私自身の願い──「小さなオハナなおうちであっても、大きなやさしさを届けたい」という想い──と重なったのです。

以来、オハナなおうちではInstagramやブログを通して、この「言薬®」を“心のお薬箱に入れておける常備薬”としてお届けしています。

📖大坂巌医師の新刊『納得する生き方』

大坂巌医師は、20年以上にわたり5,000人以上の患者さんとご家族に寄り添ってきた緩和ケア医です。
「言葉は薬になる」と信じ、【言薬®】を提唱し、医療現場にやさしさを取り戻すことをライフワークとしています。

その集大成となる一冊が、
『納得する生き方:明日死ぬとしたら、あなたは今日、どう生きますか?』(KKロングセラーズ、2025年8月26日発売)です。

本書は、

  • 人生の最終章ににじみ出る「その人らしさ」
  • 病や死に直面するからこそ見えてくる「本当の願い」
  • 今を大切に生きるための「言葉の力」

を丁寧に綴り、「自分らしく生ききるヒント」を私たちに届けてくれます。

💬よかったらコメント欄で教えてくださいね

「本当はしんどかったけど、ふと楽になれた瞬間」って、最近ありましたか?
もしあれば、ぜひコメントやDMでシェアしてくださいね。

あなたの言葉が、誰かの心に風を届けてくれるかもしれません。

💊言薬®(ことぐすり)とは、

緩和ケア科の医師の大坂巌氏が提唱した「思いやりのある肯定的な言葉は薬になる」という考え方です。オハナなおうちInstagramリール投稿等の名言をまとめました。それをオハナなおうちの言薬として、言葉のお薬箱の中に常備薬として入れておきます。疲れた時、癒されたい時、励まして欲しい時、頑張れない時、心が辛いときに、是非言薬を服用ください。そして大坂先生が提唱されているように、私たち一人ひとりが言薬を持ち寄り、大切な方や関わる方に思いやりの心をそえる言葉を伝えることができたのなら、おたいさまのしあわせが広がっていくと信じています。神スキルである言葉が、人々の幸せへと浸透していきますように。

🏷️ 『オハナなおうちの常備薬:言薬®を使用の際の注意』

言薬®は、副作用の少ないやさしいおくすりですが、ご使用の際は以下の点にご注意ください。

⚠ 使用上の注意

  • ● 効き方には個人差があります。
     無理に「いい言葉だと思わなきゃ」と頑張らなくても大丈夫です。
     読んでもピンとこない日は、お茶でも飲んで寝ましょう。
  • 即効性を期待しないでください。
     じわじわと、後から効いてくることもあります。
     思い出したときに、ふと心が軽くなるタイプのお薬です。
  • 言葉に反応して泣けてしまうことがありますが、
     それは正常な作用です。むしろデトックス効果が期待されます。
  • ● 言薬®は、ご自身だけでなく、まわりの人に分けても大丈夫です。
     ただし、押し売りは禁物。そっと差し出すくらいがちょうどいいです。

🌿 保管方法

  • あたたかい気持ちのあるところで保管してください。
  • 冷蔵の必要はありませんが、冷えた心には常温でじんわり効きます。

❤️ 万が一効きすぎた場合

  • ほほえみが止まらない、他人にやさしくしたくなるなどの症状が出ることがあります。
  • その場合は安心して、そのままお過ごしください。

まとめ

バーチャルシェアハウス オハナなおうちは、みんなの居場所です。今日も楽しい時間をありがとうございました。会えてうれしかったです。いつでも寄ってくださいね。

リビングルームにはコメント欄がありますので、心がしんどい時に元気になれる好きな言葉を教えて下さいね。

お気をつけてお帰り下さいね。また、お待ちしてます。

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