まるで笑顔で迎えてくれているような温かさでした【オハナな川柳】

✍️ 今日の一句
よろしくね 桃の絨毯 迎え咲
シェアハウスとして、生まれ変わるための手直し
夏のオハナなおうち開所に向けて、いま、家のなかの手直しが少しずつ進んでいます。
安心して過ごしていただくための、 個室化のための改築 。
ユニバーサルデザインとして、ガスコンロから IHへの変更 ——いつかキッチンから笑い声が響きますように、と思いながら。
そして、最近の夏場は北国でも欠かせない、 エアコンの設置 も。
昨今の物資不足の影響でしょうか、ただいま 工期待ち 。
いずれにしても、大切なリフォームですから、心待ちにしながら過ごしています。
ちょっと汗ばむ日、庭の様子が気になって
そんな最中、季節は確かに進んでいて、ちょっと汗ばむくらいの暖かい日も、ぼちぼち出てきました。
庭の様子が気になり、ふらりと訪れてきました。
ライフラインはまだ通っていないので、長居はできません。
水も自宅から運ばないとならない、そんな段階の家です。
それでも、玄関に着いた瞬間。
家の周りが、 ピンクの芝桜に彩られて いました。
しゃがんでみると、 甘い香り がそっと迎えてくれるようでした。
誰も水をあげていない。誰も雑草を抜いていない。
それなのに、ちゃんと、咲いていた。
「よろしくね」と言ったのは、本当は、どちらだったんでしょう。
思いがけずに、置き手紙のような
この芝桜は、私が植えたものではありません。
いつか、誰かが、ここに置いてくれたものです。
何年前なのかは、わからない。
ただ、雪の下で何度も冬を越して、誰にも頼まれていないのに、今年も咲いてくれた。
玄関脇に、桃色を一面に広げて。
なんだか、置き手紙みたい だなと思いました。
「ここは、こういう場所でしたよ」
「春が来たら、ここに桃色が咲きますよ」
そんなふうに、教えてくれているような。
シェアハウスとして新しく始まるこの家ですが、
ゼロから建てたわけではありません。
誰かが暮らして、誰かが庭を作って、誰かが手放した家。
その続きを、私が書く。
消してから書き直すんじゃなくて、 続きから書く 。
どこかから聞こえてきました。
「いいですか、みやみー。庭の声を聞きなさい、と言ったでしょう。聞こえてますか」
ええ、聞こえています。
桃色で、ちゃんと。
直すんじゃなくて、整える
リフォーム、という言葉を、私はあまり使わないようにしています。
直す、新しくする、生まれ変わらせる。
そう聞こえてしまうから。
訪問看護師として、20年。
たくさんのお家にお邪魔してきました。
玄関で靴を脱いで、廊下を歩いて、その人の暮らしの真ん中に座らせていただく仕事です。
その中で、骨に染みていることが、ひとつだけあります。
その人の、できることを、奪わないこと。
看護師に限らず、ご家族や周りの方も、よかれと思って手を出しすぎると、
その人の力は、少しずつ弱くなっていきます。
たとえば。
「転んで怪我したら、骨折でもしたら大変」と心配して、
ご本人の行動を止めてしまう。
ところが、使われない足の筋力はどんどん落ちていって、
気がついたら、本当に歩けなくなっている——。
善意が、結果として力を奪ってしまう。
そんな悪循環を、現場で何度も目にしてきました。
そうじゃなくて。
その人に 残っている力 を、邪魔しないように、そっと整える。
立てるなら、立てるように。食べられるなら、食べられるように。
——訪問看護では、これを 「エンパワメント」 と呼びます。
何かを足したり、新しくしたりするのではなく、
その人が本来持っている力に気づいて、損なわないようにそっと支えること。
私たち訪問看護師が、長年大切にしてきた目線です。
訪問看護の仕事の、たぶん半分くらいは、それなんじゃないかと思います。
——家も、たぶん、同じなんだと思います。
この築46年の家にも、まだ生きている力がある。
何十年も人の暮らしを支えてきた、骨組みの力。
雪の下で耐えて咲く、芝桜の力。
その力を、奪わないように。
上から塗り潰さないように。
直すんじゃなくて、整える。
オハナな縁側から、ひとこと
ライフラインが通るのは、もう少し先です。
工期待ちのリフォームも、もう少し先。
水も、まだ車で運んでいます。
それでも、芝桜は咲いていました。
誰の許可も待たずに、ちゃんと。
新しいシェアハウスとして、これから何かを始めようとしている私の方が、
たぶん、ずっと、後から来た側です。
迎えてくれた庭に、こちらこそ、よろしく。
そう言える春に、めぐり会えました。
こちらこそ 桃の絨毯 よろしくね
工期待ちの時間も、庭は、こうして少しずつ進めてくれています。
工事の進捗を待ちながら、ゆっくり整えていけたらと思っています。
またこちらで、お知らせしていきますね。
それでは、また縁側で。

