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【もう頑張れない夜に】心をそっとほどく言薬®5選──眠れない夜に灯す、小さな光【言葉のお薬箱】

しんどい一日の終わりに。心を責めず、そっと休ませるための言葉たち。

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頑張れなかった夜に必要なのは、“叱咤”ではなく“許し”です。

夜は、心の鎧がそっと外れる時間。
昼間は平気だったことが、急に重くのしかかったり、
「なんで私はこんなにできないんだろう…」と自分を責めてしまうことがあります。

けれど、そんな夜に必要なのは
もう一度がんばる力ではなく、
「休んでいいよ」という静かな許し。

ここから先は、
“頑張れない自分を責める薬”ではなく、
“心をやわらかく包む言薬®”だけをそっと並べました。

深呼吸するみたいに、ページをめくってみてくださいね。

🧭 この処方が効くかもしれない、あなたの今日

  • ⚫︎仕事や家事のことを考えるだけで、胸がそっと重くなる夜
  • ⚫︎「今日はもう無理だ…」と、ふいに涙が出そうになった帰り道
  • ⚫︎何度も自分を責めてしまい、寝る前にため息がこぼれたとき
  • ⚫︎誰にも弱音を吐けず、ひとりでがんばり続けて疲れ果てた日

ここから先は、
“追い打ちをかける言葉”ではなく、
“心をやわらかく包む言薬®”だけを受け取る時間です。

💊もう頑張れない夜に効く言薬® 5選

① 休めるときに、休んでいい。F・ニーチェ

効能:限界まで頑張ろうとする心をほどき、「休むこと=前に進む準備」という視点を取り戻す。
用法:仕事や家事で心が折れた夜、頭では「まだできる」と思っても、身体が止まるときに思い出す。
補足:ニーチェは“強さとは、休む勇気があること”とも解釈できる哲学を多く残している。


② 変わっていく自分を、こわがらなくていい。老子

効能:変化を恐れて縮こまる心をなだめ、「流れに身を任せてもいい」という安心感を与える。
用法:仕事の環境、役割、人間関係が変わり、不安が強まったときにゆっくり読み返す。
補足:老子の「道(タオ)」の思想は、自然な変化を受け入れることで心は軽くなると教えてくれる。


③ 孤独は、出会いの種になる。谷川俊太郎

効能:孤独を“欠けた状態”ではなく、“次のつながりを育む土壌”として捉え直す視点を育てる。
用法:ふいに心細くなる夜、自分だけが取り残されたように感じる時、そっと心に置く。
補足:孤独は人と人を引き寄せる「万有引力」であるという詩人の視点は、希望の余白を残してくれる。


④ 一歩だけでいい。その一歩が未来になる。マイケル・ジョーダン

効能:大きな目標に押しつぶされるとき、「一歩」という最小単位の行動へ視点を戻してくれる。
用法:やるべきことに手がつかず、自己嫌悪で動けなくなったとき、「まず一歩」だけ決める。
補足:偉大な成果の陰には、何万回もの小さな一歩がある──これはジョーダン自身の実体験に基づく力強い言葉。


⑤ 泣いた夜のあとに、また笑えばいい。エラ・ウィーラー・ウィルコックス

効能:涙を否定する心をやわらげ、「泣くことも生きる力の一部」であると再認識させる。
用法:涙が止まらない夜、無理に気持ちを切り替えようとせず、涙のあとに訪れる“揺り戻し”を待つ。
補足:“涙と笑顔はセットで生きている”という詩人の哲学は、喪失・不安・疲労を抱える人の心を静かに支えてくれる。

🍊オハナなこたつから、ひとこと

誰も見ていない夜ほど、
「今日もできなかったな…」と
自分に厳しくなりがちです。

でも、泣いた夜も、
立ち止まった日も、
ちゃんとあなたの人生の一部。

がんばれない日は、
がんばらないでいい日なんです。

どうかゆっくり、
心が戻ってくるのを待ってあげてくださいね。

今夜のあなたへ灯りが届きますように──言葉のお薬箱より

夜は、とても正直で、残酷で、やさしい時間。
そんな夜に、あなたを責めるのではなく
抱きしめるような言葉が一つでも届けば嬉しいです。

次回は、
「心さみしい夜に効く 言薬®5選」
をお届けします。
どうぞ楽しみにしていてくださいね。

📚引用・参考

  • F・ニーチェ 『悦ばしき知識』より(超訳・要約を含む)
  • 老子(思想・言説)
  • 谷川俊太郎 詩集『二十億光年の孤独』より
  • マイケル・ジョーダン(講演・メディア発言、または語録集)
  • エラ・ウィーラー・ウィルコックス(詩、または詩集)

※本記事は引用および要約を含み、引用の目的は啓発・教育を意図するものです。
 著作権法第32条に基づき適正に利用しています。

言薬®とは

言薬®(ことぐすり)とは、緩和ケア科の医師の大坂巌氏が提唱した「思いやりのある肯定的な言葉は薬になる」という考え方です。

日本には古来から言霊(ことだま)という考えがあり、発した言葉にはこの世界に何らかの影響を与える力があると信じられています。元ザ・リッツ・カールトン・ホテル日本支社長の高野登さんは、「食べたものが体を作り、聞いた言葉が心を作り、発した言葉が未来を作る」と言っています。

医療者が発する言葉も、患者さんやご家族にきっと大きな影響を与えているはずです。科学技術の進化に伴って、医療現場は大きく変わってきました。予約、受付、診察、検査、入院、治療などあらゆる面で、医療者も患者さんも新たなテクノロジーの恩恵を受けることができるようにはなりました。それでも、私たちが忘れてはならないものは、言葉のもつ力を意識することではないでしょうか。使い方を間違えれば、発する言葉は患者さん・ご家族だけではなく同僚をも傷つけてしまうことになりかねません。

哲学者の池田晶子は、「死の床にある人、絶望の底にある人を救うことができるのは、医療ではなくて言葉である。宗教でもなくて、言葉である」と明言しています。私たちは誰もが、自分が発する言葉で患者さんを癒すことができる尊い存在であるという証でしょう。120年前に発行された書籍の中で、ラルフ・ウォルドー・トラインはこう予言しています。「いつか、医師が身体を治療し、癒すのではなくて、心を癒し、それによって身体を癒すことを仕事にする時代が来るだろう。」

言葉は薬になるということから、「言薬(ことぐすり)」という考え方にたどりつきました。そして、より多くの人に広めたいという願いから、2023年4月には、商標登録(登録第6689605号)を取得することができました。私たち一人ひとりが、患者さん・ご家族の心を癒し、かけがえのない存在となるためには言薬が欠かせません。薬を処方できるのは医師だけですが、言薬は誰にでもいつでも処方することができるはずです。

みなさまにも言薬をご自由にお使いいただき、言薬を広める仲間になっていただければ幸いです。

社会医療法人石川記念会HITO病院 緩和ケア内科
岡山大学病院 緩和支持医療科 大坂 巌

※現静岡県きせがわ病院副院長として在職中です。

https://www.resume.id/works/470070c5b0a5afad

大坂 巌 医師

臨床対話コーチ
1964年1月27日東京都生まれ。 筑波大学第二学群生物学類卒業、筑波大学大学院環境科学研究科中退、千葉大学医学部医学科を卒業し、31歳で医師免許取得。医療者の対話力向上を目指し、コーチングスキルを活かした臨床対話コーチングを開発しました。 言葉は薬になるとの考えから「言薬(ことぐすり)」を提唱しています。
・日本緩和医療学会 指導医
・国際コーチング連盟 認定アソシエイトコーチ

https://www.resume.id/works/470070c5b0a5afadより

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まとめ

── 言薬®を通して、オハナなおうちが願っていること

言葉は、すぐに答えを出してくれるものではありません。
でも、心の奥に小さなタネが眠っているとしたら、
言薬®は、そのタネにそっと水をあげるような存在でありたいと思うのです。

眠れない夜や、ひとりで抱えこみそうな日々のなかで──
ふとした言葉が、ひとすじの風になって呼吸を整え、
ひとかけらの光になって、あなたの心の中をそっと照らす。

「オハナなおうち」は、そんなふうにして
あなた自身があなたを支える力を、静かに取り戻していくお手伝いができたらと願っています。

あなたの中にある、まだ芽吹いていない強さややさしさが、
いつか、自分自身にも、誰かにもやさしく伸びていく日が来ると信じて。

今夜も、ここに来てくれてありがとう。
またいつでも、心に風を通しに来てくださいね。

バーチャルシェアハウス オハナなおうちは、みんなの居場所です。今日も楽しい時間をありがとうございました。会えてうれしかったです。いつでも寄ってくださいね。

リビングルームにはコメント欄がありますので、あなたの心に刺さった言葉をぜひ教えて下さいね。

お気をつけてお帰り下さいね。また、お待ちしてます。

\またのぞきにきてくださいね/
オハナなおうちの「言葉のお薬箱」では、
夜だけでなく、朝や、誰かを想う気持ちにも効く言葉をそっと準備中です。

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