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どうしてあのとき、あんなに怒ってしまったんだろう──怒りの裏にある“ほんとうの気持ち”【言葉のお薬箱】

今日の言薬®「君を怒らせるのは、他人ではなく、君の考えそのものだ。」― エピクテトス(『語録』より)

怒りの正体は、悲しみと「わかってほしい」という願い

私たちが誰かに怒られたり、思わず怒ってしまったりしたとき。
心の奥に残るのは、後悔やモヤモヤ、そして小さな痛みです。

けれど、怒りの根っこには「悲しみ」や「悔しさ」、
そして「本当はわかってほしかった」という願いのかけらが隠れています。

怒りを抑えようとするのではなく、
その奥にある“ほんとうの気持ち”に気づくこと。
それが、心をほどき、やがて穏やかさへとつながっていく第一歩なのです。


エピクテトスの教え──「怒りは判断から生まれる」

この真理を、二千年前に言葉にした哲学者がいます。
それが、古代ローマ時代の奴隷出身のストア派哲学者・エピクテトス(50年ごろ–135年ごろ)。

「誰かが君を怒らせるならば、その時は君自身の判断こそが君を怒らせたのだと知るがよい。」

エピクテトスは、人が苦しむ原因を「出来事」そのものではなく、
それをどう“見たか(判断したか)”にあると説きました。

同じ出来事でも、ある人は怒り、ある人は静かに受け入れる。
その違いを生むのは外の世界ではなく、
「こうあるべき」「こうでなければ」という心の思惑(ファンタジア)なのです。

怒りとは、外から突然やってくる嵐ではなく、
私たち自身が心の中でつくり出してしまう“解釈の熱”のようなもの。

だからこそ、怒りを抑えようとするよりも、
「私はいま、どんな見方をしているのだろう?」と静かに内側を見つめてみる。
それが、怒りに振り回されないための最初の一歩です。


現場で見つめた「怒りの奥の理由」──大坂巌医師『納得する生き方』より

怒りのしくみを哲学的に説いたエピクテトス。
そして、その怒りを“聴く”という実践に落とし込んだのが、
緩和ケア医の大坂巌先生です。

著書『納得する生き方』の中で先生はこう語ります。

「怒りの裏には、本人にも気づけていない“理由”がある。
大切なのは、その理由をすぐに判断せず、丁寧に聴き取ることだ。」

ある患者さんが、繰り返しこう訴えました。
「なんで俺がこんな目に遭わなきゃいけないんだ」
「どうしてもっと早く気づいてくれなかったんだ」
その言葉の矛先は、病院にも、家族にも、そして自分自身にも向けられていました。
医療者として冷静に応じようと努めながらも、
その一言ひとことが、場の空気を張りつめさせます。
それでも、ただ彼の言葉に耳を傾け続けました。
ある日、彼がぽつりとこぼしたのです。
「治療ができないって言われたとき、全部終わったと思った。……悔しくてたまらなかった。」
その瞬間、気づきました。
彼の怒りの正体は、“悲しみ”だったのだと。

怒りや攻撃的な態度の裏には、必ず理由があります。
悲しみ、悔しさ、そして「わかってほしい」という切実な気持ち

誰かがその声を受け止めた瞬間、人は少しずつ変わっていきます。
「家族には悪かったと思ってる」
「俺、たぶんいろんな人に迷惑かけてきたよな」
そんな言葉が自然とこぼれ、
やがて穏やかに語り合う時間を持てるようになりました。

人は、心の奥にある本音を受け止めてもらうことで、
ようやく“自分らしさ”に戻れるのかもしれません。

そして大坂先生は静かに結びます。

「本当の自分と対話できた時、はじめて人は癒される。」


哲学とケアが出会うところ

エピクテトスの「怒りは判断から生まれる」という哲学と、
大坂先生の「怒りの理由を聴くケア」は、
まるで時代を超えて手を取り合うようです。

怒りを抑えることではなく、
怒りの奥にある“ほんとうの気持ち”を見つめること。

オハナな縁側から、ひとこと

その瞬間、人の心に小さな灯がともり、
やがて「ありがとう」へと変わっていく——。
それが、心をほどくケアの形なのかもしれません。

怒っている人のそばに立つとき、
私たちはつい、正そうとしたり、なだめようとしたりしてしまいます。

けれど本当に必要なのは、
「その怒りの理由を知ろうとする姿勢」かもしれません。

「あなたの怒りには理由がある」
そう伝えられた瞬間、人の心はゆっくりと灯を取り戻します。

その灯は、誰かを理解したいと願う“やさしさ”から生まれるのです。

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オハナなおうちと言薬®の出会い

私たち「オハナなおうち」が、この【言薬®】に出会ったのは、大坂巌先生の緩和ケアのご講演でした。
「思いやりのある肯定的な言葉は薬になる」という先生の信念に触れたとき、心がすっと軽くなったのを今も覚えています。

日々の訪問や暮らしのなかで、変わらずいただける“ご縁”があります。
それは人との出会いだけでなく、言葉との出会いもまた、とてもありがたいものです。

言薬®との出会いは、私にとって貴重な体験でした。
その一つひとつに込められた思いが、私自身の願い──「小さなオハナなおうちであっても、大きなやさしさを届けたい」という想い──と重なったのです。

以来、オハナなおうちではInstagramやブログを通して、この「言薬®」を“心のお薬箱に入れておける常備薬”としてお届けしています。

📖大坂巌医師の新刊『納得する生き方』

大坂巌医師は、20年以上にわたり5,000人以上の患者さんとご家族に寄り添ってきた緩和ケア医です。
「言葉は薬になる」と信じ、【言薬®】を提唱し、医療現場にやさしさを取り戻すことをライフワークとしています。

その集大成となる一冊が、
『納得する生き方:明日死ぬとしたら、あなたは今日、どう生きますか?』(KKロングセラーズ、2025年8月26日発売)です。

本書は、

  • 人生の最終章ににじみ出る「その人らしさ」
  • 病や死に直面するからこそ見えてくる「本当の願い」
  • 今を大切に生きるための「言葉の力」

を丁寧に綴り、「自分らしく生ききるヒント」を私たちに届けてくれます。

💬よかったらコメント欄で教えてくださいね

「本当はしんどかったけど、ふと楽になれた瞬間」って、最近ありましたか?
もしあれば、ぜひコメントやDMでシェアしてくださいね。

あなたの言葉が、誰かの心に風を届けてくれるかもしれません。

💊言薬®(ことぐすり)とは、

緩和ケア科の医師の大坂巌氏が提唱した「思いやりのある肯定的な言葉は薬になる」という考え方です。オハナなおうちInstagramリール投稿等の名言をまとめました。それをオハナなおうちの言薬として、言葉のお薬箱の中に常備薬として入れておきます。疲れた時、癒されたい時、励まして欲しい時、頑張れない時、心が辛いときに、是非言薬を服用ください。そして大坂先生が提唱されているように、私たち一人ひとりが言薬を持ち寄り、大切な方や関わる方に思いやりの心をそえる言葉を伝えることができたのなら、おたいさまのしあわせが広がっていくと信じています。神スキルである言葉が、人々の幸せへと浸透していきますように。

🏷️ 『オハナなおうちの常備薬:言薬®を使用の際の注意』

言薬®は、副作用の少ないやさしいおくすりですが、ご使用の際は以下の点にご注意ください。

⚠ 使用上の注意

  • ● 効き方には個人差があります。
     無理に「いい言葉だと思わなきゃ」と頑張らなくても大丈夫です。
     読んでもピンとこない日は、お茶でも飲んで寝ましょう。
  • 即効性を期待しないでください。
     じわじわと、後から効いてくることもあります。
     思い出したときに、ふと心が軽くなるタイプのお薬です。
  • 言葉に反応して泣けてしまうことがありますが、
     それは正常な作用です。むしろデトックス効果が期待されます。
  • ● 言薬®は、ご自身だけでなく、まわりの人に分けても大丈夫です。
     ただし、押し売りは禁物。そっと差し出すくらいがちょうどいいです。

🌿 保管方法

  • あたたかい気持ちのあるところで保管してください。
  • 冷蔵の必要はありませんが、冷えた心には常温でじんわり効きます。

❤️ 万が一効きすぎた場合

  • ほほえみが止まらない、他人にやさしくしたくなるなどの症状が出ることがあります。
  • その場合は安心して、そのままお過ごしください。

まとめ

バーチャルシェアハウス オハナなおうちは、みんなの居場所です。今日も楽しい時間をありがとうございました。会えてうれしかったです。いつでも寄ってくださいね。

リビングルームにはコメント欄がありますので、心がしんどい時に元気になれる好きな言葉を教えて下さいね。

お気をつけてお帰り下さいね。また、お待ちしてます。

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