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オハナな管理人日誌weekly 2024.9.16→9.22

Instagramで投稿中のオハナなおうちの『オハナな管理日誌』のweeklyバージョンです。ダイジェストというより、リライトや加筆をしていることが多いかもです笑。管理人のバイアスが100%かかっておりますが、在宅看護の枝葉としての読みものとして楽しんで頂けたら幸いです。

これからの過ごし方について①

《オハナな管理人日誌 2024.9.15→9.22》

こんなケア・工夫をします②(訪問看護ver.)

⚫︎日々の生活が安楽に過ごせるようにお手伝いします

介護保険の申請をされると介護度によって安楽な生活のためのサービスを受けられます。一般的に電動ベットやマットレスなどのレンタルサービスを受ける方が多いです。病状によっては先を見据えた方が良いこともあります。

▶︎お体を動かさなくても床ずれができないように、定期的に体の位置やマットを工夫していきます。

導入時期からの3モーター付きの電動ベッドや寝たきり状態でしたら自動体交付きエアーマットのレンタルをおすすめします。              

▶︎患者さんの状態にあわせて、お体を拭いたり髪や手足をきれいにします。

健康な時期とは違って、その日の体調によって、保清も検討します。部分的に保清を分けたり、お体の負担にならないような保清方法を工夫します。訪問入浴サービスを利用する方もいらっしゃいます。

▶︎お腹の張り具合などをみながらお通じの調整をします。負担のない排泄の方法を提案します。

オムツ交換に不安を感じる方もいらっしゃいます。不安に応じたサポートをします。ご本人も介護の担い手も双方が安楽に過ごせるように知恵をしぼります。自宅ならではの方法やお助けアイテムもあります。オムツの種類も体調よって適したものに変更します。

シモの世話は受けたくない、最後まで自力でトイレで用を済ませたいという思いは私も同じです。でも現実は厳しいのです…。私もシモの世話は自分で出来なくなればお願いすると思います、願わくば信頼できる相手にお願いしたいものです。

⚫︎ご家族の心配事が少なく、ご希望がかなえられるようにお手伝いします

▶︎ご家族の心配事・ご希望をその都度伺います。

むしろ心配事や不安なことだらけかもしれません。病気を克服することだけに精一杯で最期をどう過ごすかなんて考える間もなく、いや考えられずにここまで戦ってきた方も多いことでしょう。それとも平均寿命年齢をこえ、人間としての老化の終着駅に向かっている方もいらっしゃるのかもしれません。突然に最期という言葉を突き詰められたように感じていることでしょう。よかったらそんな率直なお気持ちを言葉にしてみませんか。ささやかであっても希望をかなえたい、それが今の真っ暗なトンネルの中の一筋の光かもしれません。まずは1日を過ごす、そしてまた1日と、一歩一歩と日々を一緒に重ねていきましょう。日々の中でも心配事は生まれてくるかもしれません。それもわかちあいながら、次の一歩へのお手伝いができたらと願っています。

これからどうなるのでしょうか?

【1週間前〜の変化】

だんだんと眠られている時間が長くなっていきます

夢と現実をいったりきたりするような状態になることがあります。その時できること、話しておきたいことは先送りせず、今伝えておく様にしましょう。

【1・2日〜数時間前の変化】

声をかけても目を覚ますことが少なくなります

眠気が増すことがあります。眠気があることで、苦痛がやわらげられていることが多くなります。

*80%くらいの方はゆっくりとこのような変化がでてきます。20%くらいの方では上記のような変化がなく急に息をひきとられることがあります。

私の経験の中においても、個人差がとても大きく、あくまでも予測でしかないと前置きしながらお話します。1日でも1時間でも1分、1秒でも多くご家族や私たちと一緒に過ごして欲しいと願ってはいますが、その時その時を大切に過ごしながら、思い立ったが吉日と先延ばしにしないことをお勧めします。それはご本人にもご家族にもお伝えします。

良い意味で医療者の常識を越えて、不思議な力を感じることは、たくさんあります。そのご本人が選んだ時に旅立つのだなあと思える場面を数えきれないくらい立ち会わせて頂きました。

【そのほかよくある変化として…】

⚫︎食べたり飲んだりすることが減り、飲み込みにくくなったりむせたりする

⚫︎おしっこの量が少なく濃くなる

⚫︎つじつまの合わないことを言ったり、手足を動かずことなど、落ち着かなくなる

食べ飲みできなくなることを目の当たりにすると、とてもお辛く感じる方が多いと思います。なんとか食べたり飲んだりしていただくことで、少しでもそばにいて欲しいと願うことは当然です。果たして、このままお家で過ごすことで命を縮めることにならないか、苦しさを増すことにならないかと心配になることでしょう。もしもそんな心配を感じたら、ひとりで抱え込まずに、私たち訪問看護師にぶつけて頂けませんか?ご本人とご家族のお気持ちをわかることで、お伝えできることがあります。主治医の先生とも相談をします。「どうせ後悔するのなら、やって後悔した方がいい」とお話される方がいらっしゃいました。

まずはお気持ちを言葉にしてみませんか?

⚫︎のどもとでゴロゴロという音がすることがあります

唾液をうまく飲みめなくなるためです。眠っていらっしゃることが多いので苦しさは少ないことが多いですが、意識があり苦しさがあるときはだ液を減らす薬があります。

⚫︎呼吸のリズムが不規則になったり、息をすると同時に肩や顎が動くようになります

呼吸する筋肉が収縮するとともに、肺の動きが悪くなって首が動く様になるためです。「あえいでいるように見える」ことがありますが、苦しいからではなく、自然な動きですので心配はありません。

⚫︎手足の先が冷たく青ざめ、脈が弱くなります

血圧が下がり循環が悪くなるためです

◎全ての方が同じ経過を経るものではなく、その方によって異なります。医師や看護師と一緒にその時の状態を確認してください。    

▶︎心臓や呼吸がとまるとき/とまっているのに気が付いたときどうしたらよいでしょうか?

⚫︎突拍的な不整脈や事故ではなく、全身の状態が悪くなった患者さんの場合、人工呼吸や心臓マッサージなどの心肺蘇生で回復できることはほとんどありません。

⚫︎人工呼吸や心臓マッサージそのものが患者さんにとっては苦痛になる可能性があります。

⚫︎直前までお元気だった場合を除くと、心肺蘇生は行わずに静かに見守ってあげるのがよいと思います。

⚫︎事前に医師や看護師を話し合っておきましょう。

アドバンス・ケア・プランニング(ACP)という言葉をご存知でしょうか?

将来の医療やケアについて、患者本人を中心に家族や医療・ケアチームが話し合い、患者本人の意思決定を支援する取り組みのことです。愛称として「人生会議」とも呼ばれます。ACPでは、患者本人の人生観や価値観、希望に沿った医療やケアを具体化することを目標としています。話し合いの中では、人生最期の状況での心肺蘇生や希望する治療についての考えや希望をお聞きすることもあります。    

※引用文献:「緩和ケア普及のための地域プロジェクト:OPTIM study(厚生労働科学研究 がん対策のための戦略研究)」による、『これからの過ごし方について』

まとめ

バーチャルシェアハウス オハナなおうちは、みんなの居場所です。今日も楽しい時間をありがとうございました。会えてうれしかったです。いつでも寄ってくださいね。リビングルームにはコメント欄がありますので、何かリアクションしていただけたら励みになります。お気をつけてお帰り下さいね。また、お待ちしてます。

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