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オハナな管理人日誌weekly 2024.9.9→9.15

Instagramで投稿中のオハナなおうちの『オハナな管理日誌』のweeklyバージョンです。ダイジェストというより、リライトや加筆をしていることが多いかもです笑。管理人のバイアスが100%かかっておりますが、在宅看護の枝葉としての読みものとして楽しんで頂けたら幸いです。

これからの過ごし方について

《オハナな管理人日誌 2024.9.9→9.15》

お看取りが不安に思うことは、ごく自然な気持ちであると考えます。それは経験があるにしろ、ないにしろです。その方によって個人差があることを押さえながらも、「緩和ケア普及のための地域プロジェクト:OPTIM study(厚生労働科学研究 がん対策のための戦略研究)」による、『これからの過ごし方について』という パンフレットが配布されています。ご家族向けでわかりやすく書かれているので、訪問診療の先生がご家族にお渡ししていることも良く目にします。医療者が本人やご家族に看取りの心構えについて説明するためのツールなのですが、一般的なこれから の過ごし方をイメージがつきやすくなると思います。 パンフレットをなぞりながら、今までお看取りを含め、お手伝いさせて頂いた方々から教わったことをお伝えできたらと思います。前にお話した全人的苦痛緩和 や過ごし方からも、『おうち』は大切な役割があることも伝わるとうれしいです。    

今、どんなことが心配ですか?

嵐の中で視界ゼロに感じている方も少なくありません。 心配かどうかも頭が回らない状況であっても当然です。 状況を受け入れられずに気持ちが塞がっていることもあるでしょう。これからの人生についてやご家族への心配もありますよね。 どんな状況であっても、よかったら不安は言葉にして いただけると助かります。 心がほんの少し軽くなって頂けたらと願っています。 たとえ嵐の真っ只中であっても、 この先が荒野であったとしても、 明かりを探す旅をご一緒できたらと思います。

これからどこで、どのように過ごしていきたいですか?

これからどこでどのように過ごしていきたいですか?
□できるだけ苦しくなく穏やかに過ごしたい
□ご家族に囲まれた中で過ごしたい
□できるだけ家族でみてあげたい

◾過ごしたい場所 □病院  □自宅  □介護施設  □その他

これからの過ごし方なんて、皆目検討もつかないのではありませんか?

どうなるのかも想像もつかないのに、どこでどのように過ごしたいのかも言い切れないかもしれません。家族には迷惑かけたくないという言葉も多く聞かれます。大切な家族だからこそ、負担をかけたくない。その一方で、以前記載したアンケートにもある通りに、介護の受け手世代は、家族等との十分な時間を過ごせることを重視したいことと回答されているのですよね。それは捉え方の違いで、根本には相手を思いやる気持ちが双方にあふれているように私は感じます。ご本人とご家族との潤滑油となることは私たちが大切にしたいことのひとつです。

病院の天井と家の天井は同じだと思っていたけれど、こんなに違うと思わなかったよ

今考えていることと、実際とは違うかもしれません。気持ちが変わることも当然だと私は考えます。ご本人の気持ち・ご家族の気持ちはそれぞれですが、トイレに一人で行けているうちは家で過ごしたいと、在宅療養を始め過ごしているうちに最期までお家でいらっしゃった方は少なくありません。

お住まいの地域性によっては、医療施設や介護施設の資源の影響もあると思います。社会全体の流れからみて、核家族から単身世帯へ、全体の7割が共働き世帯の増加による介護の担い手力(インフォーマル支援力)の低下も困難を助長させています。

やらないで後悔するよりは、やって後悔したほうがまだ救われます。

身体的精神的にもシンドイ状況で次々と身体が変化してくる、すべてが八方塞がりに感じるかもしれません。ワラをも持つかみたいというのは、周りのものも感じていることでしょう。そんなあなたを思い、なんとか役に立ちたいと思っている支えがあります。

「家に帰りたい」、初めて涙とともに気持ちがあふれました。手伝ってもらえるだろうかなんて、初めてのお願いで。 何も出来ないかもしれないけど、私で良ければ、せめて何かの役に立ちたいと思いました。

本人は家で最期まで過ごしたいと言っています。この家で苦労した人生だったから、最期までここで過ごさせてあげたいです。

施設開所当初から家族のように一緒に日々を過ごしてきたから、最期まで家族のようなスタッフに囲まれながら過ごしてほしい。

自営業を営みながら、お仕事の合間でお看取りのお世話をされました。小1の曾孫ちゃんも自分からお手伝いをしてくれて、命を感じてくれたかけがえのない経験だったと思います。わたしたち訪問看護師も同じく、お役に立てたらと願っています。

こんなケア・工夫をします①(訪問看護Ver.)

⚫︎定期的にお体の状態をみていきます。

ご希望や体の様子で訪問回数を相談します。血圧値や体温、脈の数や触れ方、手足の温かさや皮膚の色、息の様子やリズム、酸素飽和度の変化、お顔の表情や過ごし方の様子、聴診器を当てて呼吸の音や心臓の音、腸の動きの音を聴取し、直接お身体に触れいつもとの違いがないか確認します。

⚫︎苦しくなく過ごせるように、苦しさがある場合に薬が使えるようにしておきます。

痛みや苦しみはできるだけ少なくできたらと願っています。

⚫︎苦しさ(痛み・息の苦しさ・吐き気など)があるときには、必要な薬をあらかじめ使えるようにします。

主治医に必要な薬をあらかじめ処方してもらいます。もしも辛さが出た時にすぐに薬を使えるように準備してもらいます。薬を飲むことも辛くなることもあるので、貼り薬や坐薬、看護師がかけつけてすぐ対応できるための点滴や注射剤をあらかじめ、ご自宅に配置することが多いです。

⚫︎倦怠感などで身の置き所がない、落ち着かない場合には、一時的にお休みできるようにお薬を使うこともできます。

⚫︎お身体の状態にあわせて、適切で安全に薬が使われているかを観察します。

⚫︎ご本人のお体の状態によっては薬の作用が強く出ることがあります。予測される変化をその都度お知らせし対応します。

⚫︎患者さんの負担になる検査や治療を見直します。

・採血やレントゲンなどの負担になる検査は必要最小限にしていきます。
・痰の吸引が患者さんにとっては苦痛となることがあるので、吸引が患者さんにとって苦痛となることがあるので、吸引は控えて痰の分泌をおさえる薬を使うこともあります。
・点滴を行うことで、逆にむくみや息苦しさが増すことがあるので点滴の量を調整します。

体が弱ってくるとご自分で痰が出せなくなり、喉元でゴロゴロと痰がたまることがあります。緩和ケアの考え方として、なるべく苦しくならない方法をと相談していきます。ですから痰がご自分で出せなくなったら苦しくなるので、痰が少なくなるように整えていきます。ご自宅用の吸引器で痰を吸引することもありますが、苦しすぎない程度でご家族に協力して頂くこともあります。

のどが「ゴロゴロ」するときの項目で、改めてお伝えしますね。

まとめ

バーチャルシェアハウス オハナなおうちは、みんなの居場所です。今日も楽しい時間をありがとうございました。会えてうれしかったです。いつでも寄ってくださいね。リビングルームにはコメント欄がありますので、何かリアクションしていただけたら励みになります。お気をつけてお帰り下さいね。また、お待ちしてます。

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