出会いと別れが、人生の記憶になるとき【オハナな管理人日誌】

訪問先でも、
卒業の話題が出ることがあります。
「もうそんな季節なんだ…」
そんな言葉を聞くたびに、
季節の移り変わりの早さに
ふと驚かされます。
写真に写る少し誇らしげな姿。
笑顔の中に混じる、
ほんの少しの寂しさ。
卒業という節目は、
多くの人の心に
強く残る出来事です。
なぜ卒業の記憶は、
こんなにも
人生の中に残るのでしょうか。
人は「終わり方」で思い出をつくる
心理学には
ピーク・エンドの法則という考え方があります。
人は出来事のすべてを
均等に覚えているわけではなく、
一番感情が動いた瞬間と
最後の印象によって、
その出来事全体の記憶を
形づくるというものです。
学校生活には、
楽しかった日もあれば
うまくいかなかった日も
きっとあったはずです。
それでも卒業の日に
友だちと笑い合ったり、
涙を流したりすると、
その長い時間は
「いい思い出だった」と
心の中でまとまっていく。
卒業式が
人生の一章をやさしく閉じる時間
に感じるのは
もしかするとそんな心の動きから
関係しているのかもしれません。
「エモい」と感じる瞬間の正体
卒業の日に感じる
あの少し不思議な気持ち。
嬉しいような、
寂しいような、
胸がいっぱいになるような感覚。
最近はそれを
「エモい」と
表現することがあります。
心理学的に見ると、
この感覚は
複数の感情が同時に存在する状態
とも言われています。
達成感。
懐かしさ。
寂しさ。
これからへの期待。
いくつもの気持ちが
同時に心に浮かぶとき、
人はその瞬間を
強く記憶するのだそうです。
だから卒業の日は、
言葉にしきれないほど
印象的な時間になるのでしょう。
人生を振り返るとき、人が思い出す時間
もうひとつ
興味深い現象があります。
心理学では
レミニセンス・バンプ
と呼ばれています。
人は年齢を重ねて
人生を振り返るとき、
10代から20代の出来事を
特によく思い出す
ことが知られています。
訪問看護の現場でも、
そのことを感じる場面があります。
人生の話をしてくださるとき、
多くの方が語るのは
子供の頃の思い出が多いです。
生活や家の手伝い、農家で大変だった
両親や兄弟の話
蓄音機(!?)でよく軍歌を聞いたのよ
学校の帰りに怒られたこと
小銭を握りしめて屋台に行ったこと
そのときは
何気ない日常だったはずなのに、
あとから振り返ると
人生の宝物のように
語られる時間。
どの年代であっても
青春はやっぱりアオハルです💛
出会いと別れが、人生の記憶になる
そんなことを考えていたある日、
息子から
一枚の写真が送られてきました。
卒業式の日の姿でした。
「あ、今日だったんだ。」
思わず笑ってしまいました。
すっかり忘れていたのです。
それでも、
この時間もきっと
彼の人生の記憶の中に
残っていくのだろうと思います。
また
オハナなおうちの住人のKちゃん宅では
娘さんが
泣きながら帰ってきたそうです。
姉妹のように過ごしていた
部活動の仲間たち。
この日が来ることは
わかっていたはずなのに、
いざその瞬間になると
胸がいっぱいになったのでしょう。
出会うこと。
別れること。
それは少し寂しくて、
でもどこか
あたたかいもの。
そしてきっと、
その時間が終わるときに
私たちは初めて、
その日々が
どれほど大切だったのかに
気づくのかもしれません。
オハナな縁側から、ひとこと
それぞれの春、
それぞれの門出。
いま過ごしている時間が、
いつか人生を振り返ったとき、
やさしく輝く記憶になりますように。
そして、
この春の出会いも別れも、
誰かの人生の中で
そっと灯り続ける記憶になりますように。
引用・参考文献
- ダニエル・カーネマン(1999):「ピーク・エンドの法則」の提唱。一般社団法人日本経営心理士協会による解説資料。
- 青山凌大・西口純代(2023):「『エモい』という感情に関する考察」言語処理学会 第29回年次大会 発表論文集。
- 池田政美研究室(2018):「レミニセンス・バンプ」記憶に関する認知バイアス, 錯思コレクション100。
- 髙橋あかね:「別れ研究の展望」淑徳大学社会福祉研究所 総合福祉研究 第24号。
- 岸見一郎・古賀史健(2024):「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」アドラー心理学に関するダイヤモンド・オンライン記事。
サヨナラは悲しい言葉じゃない
それぞれの夢へと僕らをつなぐ YELL
まとめ
バーチャルシェアハウス オハナなおうちは、みんなの居場所です。今日も楽しい時間をありがとうございました。会えてうれしかったです。いつでも寄ってくださいね。
リビングルームにはコメント欄がありますので、感想やつぶやき等々、よかったら書き込んでくださいね。いつも励みにさせて頂いております。
お気をつけてお帰り下さいね。また、お待ちしてます。

