ホーム > 管理人室 > 桜餅のひと口が、凍りついた時間をそっとほどいていく【オハナな管理人日誌】──エンパワメントという小さな奇跡

桜餅のひと口が、凍りついた時間をそっとほどいていく【オハナな管理人日誌】──エンパワメントという小さな奇跡

春の日差しが、氷をほどくように

北国の春は、一気にはやってきません。

残雪の残る道。
軒下には、まだつらら。

けれど、春の日差しが差し込むと、
氷は少しずつほどけていきます。

ぽたり、ぽたりと落ちる雫のように、
凍りついた時間が静かに動き出す瞬間があります。

先日の訪問で、
私はそんな瞬間に立ち会いました。

さくらもちの魔法

その日は、ひな祭り。

桜餅をひと口、味わったときのことです。

ほんの小さな出来事かもしれません。
けれど、その表情を見たとき、
じわっと心に沁み入る喜びがありました。

言葉には表せないけれど、
その表情がすべてを語ってくれていました。

まるで、長い眠りから覚める御伽話のように。

桜餅の味わいが、
凍りついていた時間を、
ゆっくりほどいていくようでした。

私はその瞬間、
胸の奥がじんわり温かくなるのを感じました。

この喜びを、
うまく言葉にできるだろうか。

そんなふうに思いながら。

思い込みの向こう側

私たちはときどき、
知らないうちにその人を
決めつけてしまうことがあります。

障害のある人。
できないことが多い人。
支えられる側の人。

けれど、そんな思い込みのままだと、
その人の中にある力を
見逃してしまうのかもしれません。

エンパワメントという関わり

看護や福祉の世界には、
「エンパワメント」という言葉があります。

それは、誰かに力を与えることではありません。

その人の中にすでにある力や可能性が、
自然に現れてくるように関わること。

ほんの小さな出来事が、
その人の喜びや力を
ふたたび動かすことがあります。

桜餅のひと口は、
ただのお菓子かもしれません。

けれど、その瞬間。

彼女の中に眠っていた
懐かしい喜びがそっと動き、
止まっていた時間が、
確かに流れはじめました。

尊厳と人生の質

尊厳とは、
何かを取り戻した結果ではなく、

その人らしい時間を
ともに生きることなのかもしれません。

訪問看護をしていると、
ときどき思います。

奇跡というものは、
派手な出来事ではなく、

こんなふうに
静かな瞬間に
そっと現れるのだと。

その場に立ち会えたことを、
私はとても幸せに思っています。

オハナな縁側から、ひとこと

春の日差しが、
氷をゆっくり解いていくように。

人の時間もまた、
関わりの中で
静かにほどけていくことがあります。

あなたらしいって、
なんですか。

私らしいって、なんだろう。

まとめ

バーチャルシェアハウス オハナなおうちは、みんなの居場所です。今日も楽しい時間をありがとうございました。会えてうれしかったです。いつでも寄ってくださいね。

リビングルームにはコメント欄がありますので、感想やつぶやき等々、よかったら書き込んでくださいね。いつも励みにさせて頂いております。

お気をつけてお帰り下さいね。また、お待ちしてます。

シェアする