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ありがとうの温度に気づいた日──訪問看護で出会った“支えられる瞬間”【オハナな川柳】

ケアの終わりに訪れた、ひとつの光

ケアの終わりに、そっと手を握り返してくれた方がいました。
認知症が進んでいて、次の瞬間には忘れてしまうかもしれない。
それでも、この一瞬の一言には、惜しげもなく真心が込められていました。

「ありがとう」

その言葉は、驚くほどまっすぐでした。
忘れてしまう世界だからこそ、
たしかに感じられたこの一瞬が、かけがえのない光となって胸に残りました。

その声と手のぬくもりに支えられていたのは、
実は私のほうだったのです。

忘れてしまう世界に宿る尊さ

認知症の方の世界では、昨日の記憶が静かにほどけていくことがあります。
でも、その分だけ“いま”の気持ちが、とても純度高く届きます。

だからこそ、あの「ありがとう」は尊くて、切ないほどに美しい。
ことばより前にある、“その瞬間の真心”が、こちらの心をそっと揺らすのです。

忘れるから弱いのではなく、
忘れるからこそ、瞬間が輝く。
そのことを改めて教えてもらいました。

自分の「ありがとう」はどうだろう

この出来事を句にしながら、ふと自分に問いかけた瞬間がありました。

私はどれほど丁寧に、ありがとうを伝えていただろうか。

忙しさに追われ、形だけの日もありました。
心が追いつかず、声に温度が乗らなかった日もありました。

目の前の方の「ありがとう」に救われながら、
自分の言葉はどれほど真心に向き合えていたのか。
その問いが、静かに胸の奥へ降りてきたのです。

今日の一句
ありがとう 手のぬくもりに 支えられ

この一句には、
その方が届けてくれた“今”の気持ちと、
その瞬間に救われた私の心がそっと寄り添っています。

ケアは、支え合う循環の中にある

訪問看護という仕事は、
支える側と支えられる側がはっきり分かれているようで、
本当はその境界がゆっくりと揺れ動きます。

きれいごとだけではありません。
向き合う現実には、痛みや迷いが混ざる日もあります。

それでも、
たった一言の「ありがとう」が
その日を照らす灯りになる。
その一瞬に触れるたび、
人の存在が持つ力に、静かな敬意を抱きます。

🍊オハナなこたつから、ひとこと

今日、あなたが口にする「ありがとう」も、
誰かの心の灯りになるかもしれません。

言葉の温度は目に見えないけれど、
届いた瞬間だけは、たしかに光ります。

どうか、あなたの優しさが
そっと誰かを支えていますように。

#オハナな川柳
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#心の深呼吸12月

オハナな川柳を募集しています!

オハナなおうちでは、
訪問看護や介護の現場で感じたこと、
暮らしの中のひとコマ、
やさしさや気づきを詠んだ川柳を募集しています。

誰かに届けたい想い、
そっとつぶやくような言葉でもかまいません。

あなたの「ひとこと」が、
誰かの心をそっと照らすかもしれません。

📮投稿方法:
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またはブログのお問い合わせフォームからも受付中です。

オハナな川柳として、
ご紹介させていただく場合がございます。

あなたのやさしい句、お待ちしています。

まとめ

バーチャルシェアハウス オハナなおうちは、みんなの居場所です。今日も楽しい時間をありがとうございました。会えてうれしかったです。いつでも寄ってくださいね。

リビングルームにはコメント欄がありますので、感想やつぶやき等々、よかったら書き込んでくださいね。いつも励みにさせて頂いております。

お気をつけてお帰り下さいね。また、お待ちしてます。

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