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久しぶりに涙が出ました──会えなくとも続いている、訪問看護のグリーフケア【こころの深呼吸】

四十九日を迎えるころの、グリーフケア訪問

訪問看護が伴走してもらいながら、
大切な家族が旅立ちました。
葬儀やさまざまな手続きに追われ、
寂しさに浸る間もないまま、
あっという間に日々が過ぎていきます。
気づけば、もうすぐ四十九日…。

そんな時期にご遺族に連絡をさせていただきます。
そして、この久しぶりの訪問は
グリーフケア(お参り訪問) と呼ばれます。

ご集金を兼ねての訪問ではありますが、
そこにあるのは
物語の続きと伝承、
私たちのケアの答えあわせのヒントです。

泣き笑いで迎えてくれる時間

久しぶりに顔を合わせると、
「会えてうれしい」
その気持ちと一緒に、
旅立ちの記憶がふっとよみがえります。

泣いて、笑って、
また泣いて。

その場に流れる時間は、
悲しみだけでも、前向きさだけでもない
人として心に打ち寄せる波のような
自然な感情です。

グリーフは、終わらせるものじゃない

グリーフケアは、
実はお別れ後のケアでもなく
悲しみを消すためのものでは
ありません。

確かにつながっている時間の輪が
思い出され、
語られ、涙があふれて、
また日常に戻っていく。

そんな空気を確かめながら
「支える」という言葉ではなく
支えそのものに、そっと寄り添うこと。

それが、私たちの関わりです。

私にとっても
ひとりひとり、
同じ出会いはありません。

その人の人生や関係性に触れるたび、
胸の奥がぎゅっとつかまれます。
その感情に名前をつけるのはとても難しいのですが、
出会えたことへの感謝の気持ちで一杯なのです。

「また会える」と思えるようになってから

さみしいことは、
今も、さみしいです。

けれど、
次の世での再会を信じるようになってから
少し楽になりました。

だって、
また会えるんですから。

45歳で逝去した緩和ケア医の物語

そんなふうに考えることができるようになったのは、
関本剛医師の生き方を知ったからです。

がんと戦う当事者である緩和ケア医として
生涯を全うされました。
当事者である自分の言葉で患者さんと寄り添う──
なんて強靭な心の持ち主でしょうか。

緩和ケア医である母親や家族に見守られ旅立たれ、
亡くなる前には
自分の葬儀用の動画を作成され、
実際に公開もされました。

関本医師の心がこもった世界観は、
私だけではなく
たくさんの人々を救ったことでしょう。

「皆様、お楽しみいただいていますでしょうか。
本日はお忙しい中、私の葬儀に、もしくはお通夜に参列いただきまして
本当にありがとうございます。

(中略)

一言で言うと“最高の人生”でございました。

(中略)

皆様が来られたときに気分良くこちらの世界に来ていただけますように、
天国であっても地獄であっても、
いいお店・いいお酒を手配してお待ちしております。

また会いましょうね。」

🍊 オハナなこたつから、ひとこと

悲しみの中にいるとき、
深呼吸なんてできない日もあります。

それでも、
誰かと向き合い、
言葉を交わし、
涙がこぼれたその瞬間に、
心はふと楽に呼吸ができるようになります。

今日のあなたにも、
ひとつぶんの深呼吸がありますように。

#こころの深呼吸
#訪問看護
#グリーフケア

『こころの深呼吸』とは?

「こころの深呼吸」は、
忙しさや寒さで見えなくなりがちな
“自分の心の声” をそっと取り戻す時間として生まれました。

呼吸は、いつも無意識に行っているもの。
だけど、意識を向けた瞬間、
そこには驚くほどたくさんの“今の自分”が映ります。

焦り、緊張、がんばりすぎ、
ちょっとした悲しみ、
言えなかった本音。

深く吸って、ゆっくり吐くと、
それらがふわっと表に浮かび、
やさしく形を変えていくことがあります。

このシリーズでは、
大きな変化ではなく、小さな余白を思い出すこと。
そして、
心に風を通すように、
自分に戻る瞬間をつくること。

そのための言葉と、
すぐにできる小さなケアをお届けしています。

あなたの暮らしのどこかで、
ひと呼吸ぶんの安心が灯りますように。

まとめ

バーチャルシェアハウス オハナなおうちは、みんなの居場所です。今日も楽しい時間をありがとうございました。会えてうれしかったです。いつでも寄ってくださいね。

リビングルームにはコメント欄がありますので、あなたの大切にしたいやさしいひとことをぜひ教えて下さいね。

お気をつけてお帰り下さいね。また、お待ちしてます。

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