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【そっとケアQ #10】ユマニチュード®で学ぶ“正しい目線”──認知症ケアがやさしく変わる3つのコツ

ユマニチュード®(Humanitude)とは

介護や看護の現場で「ユマニチュード」という言葉を耳にしたことはありますか?

フランス生まれのケア技法ユマニチュード®(Humanitude)は、
「人間らしさを取り戻す」という意味を持つフランス語の造語です。
考案したのは体育学者のイヴ・ジネスト氏
ロゼット・マレスコッティ氏

この技法は、認知症ケアを必要とする方だけでなく、
介護をする人・される人の両方が、
おたがいの人間らしさを大切にできる関係性を築くために生まれました。

【そっとケアQ・第10問】
Q. ユマニチュード®において、認知症の方に「あなたは大切な人だよ」と伝わる目線はどれでしょう?

A.上からのぞきこむように見て、そのままケアを始める
B.同じ高さで正面からゆっくり目を合わせる
C.横からそっと声だけをかける

正解は… B!

🦉おうる先生のやさしい解説

ユマニチュード®とは?「Human(人間)」+「Attitude(態度)」= Humanitude(ユマニチュード)。つまり、人としての姿勢・関わり方
ユマニチュードは、介護技術というより「生き方の哲学」に近いものなのじゃ

“見る”という行いは、言葉以上に相手の心に届くものなのじゃよ。
認知症の方は視野の外や後ろから近づかれると驚きやすく、
それが拒否や不安のきっかけにもなってしまう。
🦉効果的な目線のコツは次の3つじゃよ。

【効果的な目線のコツ】
高さを合わせる
同じ目線になれることで
「わたしたちは対等で、あなたを大切に思っています」
というメッセージに変わる。
正面から、ゆっくり入る
正面は、相手がいちばん安心して情報を受け取れる場所。
焦らず、慌てず、気配を届けながら近づくとよい。
0.5秒以上のまなざし
ほんの一瞬、目と目を合わせるだけで
「あなたに向き合っている」
という温度が伝わる。

ときには、顔がよく見えるよう20cmほどまで近づく必要もあってな、
その距離感が安心を支えることも多いのじゃよ。

逆に、見下ろしたり、横から声をかけたり、
目を合わせずにケアを始めたりすると、
見てくれていない
という誤ったメッセージに受け取られることがあるから、
気をつけるのじゃ。

相手を大切に思っていることを考えながらケアすることで、自然と行動が変わってくるのじゃよ。逆もしかり。

🍊オハナのこたつから、ひとこと

こたつに入っていると、
自然と相手の顔をまっすぐ見たくなる瞬間がありますね。
ぬくもりに包まれた空気の中では、
言葉よりも先に、まなざしが「ここにいるよ」と伝えてくれます。

ケアの場面でも同じで、
心を開く鍵は、いつも目の高さとゆっくりと向ける視線のなかにあります。
焦らず、慌てず、そっと相手の世界に合わせていくと、
その方の表情にも、ふっと温かい風が通り抜けていくのです。

どうか今日も、
あなたのまなざしが、大切な人の安心になりますように。
こたつのあたたかさも、あなたの優しさも、
きっと届いていますよ。

📖 参考・出典

  • 『ユマニチュード入門』(イヴ・ジネスト/ロゼット・マレスコッティ著)
  • GINÉSTET Humanitude Japan株式会社 公式サイト
  • 国立長寿医療研究センター「ユマニチュード実践事例」
  • 厚生労働省「高齢者の尊厳を支えるケア技法」紹介資料

🌙 次回予告*そっとケアQ|第11回

ユマニチュード®“話し方”で変わる安心──声のトーンと距離のコツです。お楽しみに〜。

🌱みんなでつくる「そっとケアQ」

介護や在宅医療のなかで、
「これって、どうすればいいの?」と迷うことはありませんか?

誰かの“困った”や“気づき”が、
きっと別の誰かの支えになります。

オハナなおうちでは、みなさんからの在宅ケアや介護にまつわる疑問を募集しています。
日常の小さな「?」を、クイズ形式で一緒に学ぶ「そっとケアQ」に取り上げていきます。

💬 たとえば…

  • 介護保険の使い方がわからない
  • 認知症の方の言葉にどう返せばいい?
  • 看取りの時、家族は何を意識すればいい?

小さな気づきでも大丈夫です。
あなたの声が、次の「そっとケアQ」をつくっていきます。

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