コスモスに見送られて──旅立ちと「自分で選ぶ」穏やかさ【オハナな川柳】

早く神様のところに行くことになっちゃった
かつて若くして末期がんを宣告された女性がいました。
後を託す娘さんに、ある日こう語られたのです。
「お母さん、いい人すぎるから、早く神様のところに行くことになっちゃった。
もっと悪いことしとけばよかったな。」
そう言って、私にニッコリと笑った彼女。
それまできっと、何度も「悪夢であればいいのに」「なぜ私が」ともがき苦しんでこられたはずです。
それでも訪問看護で出会ったとき、彼女は穏やかな微笑みで私たちを迎えてくれました。
穏やかさを支えるもの
どうしてそんな穏やかさを保てるのでしょうか。
私は信じています。
──すべてを受け入れているからこそ、「自分で選ぶこと」が深い意味を持ち、その自由こそが穏やかさを支えるひとつになり得るのだと。
病気が進行すると、自分の意思とは関係なく、望まない方向にばかり進んでしまいます。
だからこそ、たとえ小さなことでも「選ぶ自由」を守ることが大切なのです。
「薬はいらない、このままでいい」
「そばにいてほしい人の手のぬくもり」
「笑い声の響くいつもの部屋」
そんな日常の選択を尊重しながら、彼女はふわっと空に舞い上がるように旅立たれました。
自然が人の旅立ちをともに見守り、残された私たちの心に優しい彩りを添えてくれる瞬間でした。
自然に託された祈り
部屋を後にし、ご縁への感謝と再会の約束を胸に玄関を出ると──
そこには澄んだ秋空の下、コスモスの花々が揺れていました。
まるで、空へ向かって手を振るように。
その姿が、彼女を見送る祈りのように思えてなりませんでした。
✍️ 今日の一句
コスモスや 空へ届ける 祈りかな
🏠オハナな縁側から、ひとこと
人の旅立ちは、悲しみだけでなく、自然や言葉や祈りに包まれています。
秋空に揺れるコスモスのように。
その光景は、心に小さな彩りを残し、これからを生きる私たちを静かに支えてくれるのだと思います。
コスモス全般の花言葉は「調和」「謙虚」「乙女の真心・純真」です。
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まとめ
バーチャルシェアハウス オハナなおうちは、みんなの居場所です。今日も楽しい時間をありがとうございました。会えてうれしかったです。いつでも寄ってくださいね。
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