「あなたがここにいるだけでうれしい」──苦しみの中で支えになる言葉【今日のひとことケア】

目次
苦しみは、誰の人生にも訪れる
人生には、思い描いた理想と現実のあいだに、大きな隔たりを感じる瞬間があります。病気や老い、大切な人との別れ──その現実は、ときに心を深く傷つけ、「こんなはずじゃなかった」と立ち止まらせます。
この苦しみは、身体の痛みだけにとどまりません。未来への不安や過去への後悔、自分の存在意義を見失うような感覚まで揺らがすことがあります。
医療や看護の世界ではこれを 「スピリチュアルペイン(霊的苦痛)」 と呼び、全人的なケア(トータルペインへの対応)が大切だとされています。
理想と現実のギャップに直面するとき
訪問やケアの場面で、こんな声を耳にすることがあります。
「入院している時は、退院したらもう少し動けると思ったのに。」
「病院と自宅の天井は同じかと思ったら、全然違った。」
退院を希望に感じていたはずが、思うように身体が動かず、理想との落差に愕然とする。病院での景色と、自宅での日常とが、こんなにも違うと知ってしまう。
そのときの失望や戸惑いは、本人にとっても、ご家族にとっても大きな痛みとなります。できなくなったことに目を奪われ、自分の価値までも見失ってしまうのです。
苦しみを丁寧に受け止めること
こうした言葉を聞いたとき、どんな言葉をかけますか?
私たちができることは「がんばって」「大丈夫」「そんなこと言ったらダメよ」「きっと元気なるから」という励ましではありません。まずはその苦しみを丁寧に受け止めること。
「そう感じるのは自然なことです」と、ありのままを受容するまなざしです。
そのうえで、「あなたは何もできなくなったわけではない」「ここにいてくれることが、すでに支えになっている」と伝えることが、ケアの力になるのだと信じていいます。
💊 今日のひとことケア
「あなたがここにいる、それだけで私はうれしい。」

存在を肯定するケアの力
この言葉は、イギリスでホスピス運動を創設したシシリー・ソンダースが伝えた
「あなたはあなたであるから大事なのです」というメッセージに重なります。
できることが減っても、役割を果たせなくなっても、
その人が“いる”こと自体が、周囲にとって大切な支えになる──。
この「存在を認めるまなざし」こそが、スピリチュアルケアの核にあるのだと思います。
在宅での看取りや介護でも、解決できない問題は数多くあります。
それでも、存在を丸ごと受け止めてくれる人がいるという実感は、
苦しむ人の心に光を添える力になります。
あなたの心に差し込む光に気づいていますか?
🏠オハナな縁側から、ひとこと
訪問看護での日々の出会いは、一見同じようでいて、二度と戻らないかけがえのない瞬間です。
その中で感じるのは、できなくなったことよりも、そこに「いてくれる」ことの尊さ。
苦しみを抱えるあなたへ、そしてそのそばにいる誰かへ。
どうかこの言葉が、静かな灯りとなりますように。
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あなたがここにいる、それだけで私はうれしい。
こうしてこのオハナなおうちのブログに来てくださったこと、この出会いをうれしく思います。お目にかかれて光栄です。
『今日のひとことケア』とは?

忙しさや不安、さみしさを感じる日常の中で、
ふと心に寄り添ってくれるような、
あたたかくて、やわらかい言葉があります。
『今日のひとことケア』は、
出会った温かい言葉たちを届けるシリーズです。
体のケアと同じくらい、心のケアも大切に。
小さなひとことが、あなたの一日をやさしく包み、
ふっと息をつける時間となりますように。
誰かに届けたい「やさしいひとこと」はありますか?
あなたが出会った「心がふっと軽くなった言葉」、
誰かに届けたい「やさしいひとこと」はありますか?
『今日のひとことケア』では、
皆さんの「心を癒す言葉」「大切にしている一言」を募集しています。
・自分を励ました言葉
・誰かにかけてもらってうれしかった一言
・暮らしの中でふと思い浮かんだフレーズ など
投稿はコメントやDMでお気軽に。
あなたの言葉が、誰かの今日を支える力になります。
まとめ
バーチャルシェアハウス オハナなおうちは、みんなの居場所です。今日も楽しい時間をありがとうございました。会えてうれしかったです。いつでも寄ってくださいね。
リビングルームにはコメント欄がありますので、あなたの大切にしたいやさしいひとことをぜひ教えて下さいね。
お気をつけてお帰り下さいね。また、お待ちしてます。