見送る背中に、心を重ねる【管理人日誌】

心を重ねるその瞬間も、人生の物語は紡がれる。
家族と過ごす場所で、生ききるという選択を
こんなにも早く、最期の療養の場を決めることになるなんて──
誰もが、そう思っていました。
けれども、ここ10年。
病とともに歩んできた日々のなかで、
彼とご家族は、折に触れて、未来のことを語り合ってきたのです。
「最期は、娘のそばで」
そう決めたものの、
こんな苦渋の決断は、できることなら一日でも先延ばしにしたかった。
旅立ちの朝。
車椅子に座るその背中は、どこか吹っ切れたようでもあり、
けれど、言葉にしきれない寂しさが静かに滲んでいました。
地元で長年、職人として生きてきた彼。
使い込まれた道具のひとつひとつに、
手しごとへの誇りと愛情が刻まれていました。
地域で頼られ、支えられてきた年月──
それは、まさに彼の人生そのものでした。
その日、小さな港に一人の作家が現れました。
かつて、取材を通して出会ったご縁のある方。
「これが、最期になるかもしれない」
そんな予感を抱かせる背中に、
過ごしてきた時間と思い出が静かに重なっていきます。
「ありがとう」
「さようなら」
その両方を包み込むような、
言葉にならない想いが、見送るまなざしにそっと宿っていました。
それは別れではなく、
“人生を次に渡す”という、彼にとってずっと胸の内にあった、
継承のバトンを託す瞬間だったのかもしれません。
小さな港に吹いた風のように。
誰かの人生をまるごと受けとめ、
見送るその姿が、そっと背中を押してくれたのです。

🏠オハナな縁側から、ひとこと
見送るというのは、
ただ「さようなら」と言うことではないのかもしれません。
立ち去る人の背中には、
その人が生きてきた時間が、静かににじんでいて。
見送る人のまなざしには、
言葉にしきれない祈りや感謝が、そっと宿っています。
「またね」とも言えない別れもあるけれど──
心と心が重なるその瞬間には、
たしかなぬくもりが、たしかに流れているのです。
風のように静かに、でもたしかに届くまなざしで、
心を重ねるその瞬間も、人生の物語は紡がれていく──
そんな時間を、これからも大切にしたいと願っています。
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『今日のひとことケア』とは?

忙しさや不安、さみしさを感じる日常の中で、
ふと心に寄り添ってくれるような、
あたたかくて、やわらかい言葉があります。
『今日のひとことケア』は、
出会った温かい言葉たちを届けるシリーズです。
体のケアと同じくらい、心のケアも大切に。
小さなひとことが、あなたの一日をやさしく包み、
ふっと息をつける時間となりますように。
誰かに届けたい「やさしいひとこと」はありますか?
あなたが出会った「心がふっと軽くなった言葉」、
誰かに届けたい「やさしいひとこと」はありますか?
『今日のひとことケア』では、
皆さんの「心を癒す言葉」「大切にしている一言」を募集しています。
・自分を励ました言葉
・誰かにかけてもらってうれしかった一言
・暮らしの中でふと思い浮かんだフレーズ など
投稿はコメントやDMでお気軽に。
あなたの言葉が、誰かの今日を支える力になります。
まとめ
バーチャルシェアハウス オハナなおうちは、みんなの居場所です。今日も楽しい時間をありがとうございました。会えてうれしかったです。いつでも寄ってくださいね。
リビングルームにはコメント欄がありますので、あなたの大切にしたいやさしいひとことをぜひ教えて下さいね。
お気をつけてお帰り下さいね。また、お待ちしてます。