ひとしずく メロンの夏を くちにふく【オハナな川柳】

「ひとしずくに宿る、夏といのち」
──メロンの果汁をそっと口もとへ
ひとしずく
メロンの夏を
くちにふく
食事ができること。
それは、決して「当たり前」ではありません。
年齢を重ね、体が変化し、こころが揺れるとき──
どんな人にも、「食べることがむずかしくなる瞬間」が訪れます。
それでも、「味わう」ことは、きっとできる。
そして“味わう”という行為には、
栄養をとること以上の意味があるのだと、
日々の訪問のなかで教えていただいています。
口から食事を摂れなくなるというのは、
とても大きな節目です。
その現実は、
ときに医療や制度、社会の声にまぎれて、
「人の尊厳」というものが、置き去りにされてしまうことさえあります。
でも──
どんな人にも、“当たり前でなくなる日”はやってくるのだと思うのです。
それでも、
今ここにある現実を静かに受けとめ、
変えられないことを受け入れる勇気と、
変えられることを見つけようとする姿勢。
ニーバーの祈りのように、
そんな思いを胸に、私たちはそばにいたいと思います。
その日、冷たく冷やしたメロンを、
ほんの少し果汁だけしぼって、
スポンジに含ませ、そっと口もとへ。
その一滴に宿っていたのは──
香りでも甘さでもなく、「夏そのもの」でした。
味わうことは、
感覚を揺らし、記憶を呼び起こし、
人と人のあいだに、ぬくもりを届けてくれます。
たとえ、“ひとしずく”だったとしても。
そこに、季節があり、やさしさがあり、
いのちの力が、たしかに宿っている。
🏠オハナな縁側から、ひとこと
「味わう」という一瞬。
目を三日月のように細めて、香りを受けとめたように見えたそのしぐさ。
“美味しい”という合図だったのでしょうか。
それとも、冷たさが通った瞬間に思わずこぼれた、涼しさへの驚きだったのかもしれません。
あの静かな時間にふれさせてもらった私たちの方が、
きっと“いのちの豊かさ”を味わわせてもらっていたのでしょう。
ケアという営みの中で、
季節をそっと手渡すような時間があること。
それがどれほど、心をやさしく満たしてくれるのか──
この川柳に、そんな思いを込めました。
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まとめ
バーチャルシェアハウス オハナなおうちは、みんなの居場所です。今日も楽しい時間をありがとうございました。会えてうれしかったです。いつでも寄ってくださいね。
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お気をつけてお帰り下さいね。また、お待ちしてます。