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みんな集まれ〜クリスマスだよ!全員集合🤶

一緒に楽しいひとときを過ごしたい!純粋に、ほんの少しだけ?のおせっかい屋さん087レンジャー活動日記です。幸せのお裾分けをどうぞ〜

087レンジャーなクリスマス会2024〈2024.12.12〉

やっちゃん先生

ハッピーメリークリスマス🎄
重度認知症おひとりさま生活のやっちゃん先生は、幼稚園の先生でした。やっちゃん先生の世界の中では、いつも生徒たちが遊びに来てくれています。悪ガキほど可愛いといつも生徒たちが来るのを心待ちに日々過ごしています。ご家族は遠方なので、私たちの介護保険サービスと、知人や地域の方々の支えがあっての認知症おひとりさま生活です。デパートの店員とお客からのお付き合いの知人たちや、ゴミ捨てや除雪などはご近所さん達のありがたい支援は、これまでの関係性があってこそ、やっちゃん先生のお人柄でしょうね。

魔法のマニキュア

やっちゃん先生との出会いは半年前のこと。体調が悪く、転んだことをきっかけに寝たきりになってしまっていました。重度認知症のために総合的に理解して選択をすることが難しい状況なので、医療者は優しさのパターナリズムで彼女に医学的な選択を促したのです。説得すればするほど入院加療を望まない彼女との溝が深まり信頼関係が失われ、服薬やケアの受け入れさえも難しくなってしまった、そんな状況でした。ベッドに横になっているやっちゃん先生は、不信感のかたまりでした。信用できない誰かに自分の身体を任せられない、当然のことです。訪問看護はいつも生徒だと勘違いしていました。ケアを勧めても、お昼を食べる時間だから早く学校に戻りなさいとやんわり断られ、服薬介助を促すとこっそりと口から吐き出してゴミ箱に捨ててられてしまいました。入浴や保清もできておらず、爪も伸びっぱなしで、足の爪はまるで足先から棒が飛び出ているようなくらいでしたが、やはりケアの受け入れにならないのです。ラポール形成という言葉があります。「ラポール」とは、相互の信頼関係というの心理学用語です。フランス語で「橋を架ける」という意味から、心が通じ合い、互いに信頼しあい、相手を受け入れていることを表します。 関係性を築きながらケアを実践していくのが看護の基本ですが、重度認知症の程度によっては短期記憶低下障害が著しく毎回初めましてから始まるので、ラポール形成も難航してしまうことになるのです。

ケアのきっかけになったのが、このシャネルのピンクネイルです。彼女の部屋の片隅にあるドレッサーには同じ化粧品が山積みとなっていて、買ったことを忘れて何度も買い求めたのかもしれませんね。訪問のたびに布団から出ている顔を拭いて、ついでにと手を拭き、

あら?素敵なマニキュアですねー、やっちゃん先生のですか?

そうなのよ、西武デパートで買ってね、その時に知り合った店員さんからの友人なの

このマニキュア塗ってみたいわー

あなた塗ってくれるの?

嬉しい気持ち心が動いた記憶は意外と残っていることがあります。マニキュアは手を見るたびに嬉しい記憶が維持される一方で、誰が塗ったか忘れてしまうので、来る人来る人に「あなた塗ってくれたの?」と。そして、ほこらしげに「お客様が来たら、わざとこうやって手を添えてね、どうぞって。(爪が)見えるでしょ」本当に心からうれしいと思っているお顔って、こんな輝いているんだなぁとこちらの心が動かされます。そこからですね、魔法のマニキュアのおかげで、保子先生との信頼関係ができて色々と委ねてくださるようになりました。薬も拒否がなくなったので、体調も上向きになりました。寝たきりだったのが、訪問するとリビングで座ってTVを眺めコーヒーを自分で淹れるようになりました。物忘れはあまり変わっていません。でも穏やかな顔でしあわせだと話し、昔話だったり人生論だったり私たちとのおしゃべりを楽しむ毎日に変わっていきました。

クリスマスの願い

やっちゃん先生、サンタさんにお願いはなんですか?

みんなでワイワイしたいわ

願い事は叶いましたね!普段は施設レクで大人気の音楽療法のスタッフの方がギターで懐かしの唱歌を弾き始めるとやっちゃん先生、幼稚園でたくさん子どもたちと歌ったのを思い出して、歌詞はスラスラと嬉しそうに歌っているではありませんか!今日はパーティですよって、事前に何度お伝えしても記憶が残らなかったのに…。

お料理は今回参加してくださった方のお母さん、さぁこさんの手作りの差し入れです。こんな豪勢な料理にびっくりです。さぁこさんは元料理教室の先生でプロ級のお料理に納得です。さぁこさんは持病を患ってから料理を振る舞う機会が減ってしまっていたそうで、今回お声をかけていただくと喜んで作って下さったそうです。外来で忙しい主治医の先生もお顔を出して下さいました。

料理はどれも手が込んでいて美味しくて、温かい気持ちがありがたくて、みんなで過ごせたことも嬉しくて、感動のクリスマス会でした。本当に幸せいっぱいだったのは、やっちゃん先生のおかげですね。後日、やっちゃん先生の訪問したときに

楽しかったね、またやろうね

記憶に残っていました!ミラクルです!!
またひとつ先生に大切なことを教わりましたね。

まとめ

認知症おひとりさま生活を支える一例をお伝えしました。きっとこれからのトレンドの形でしょう。やっちゃん先生のこれまでの人生での出会いが、今の困難を支えてくれる支援者として関係が続いています。それには先生の人柄も大いに関係しているので、こんなケースは奇跡なのかも知れません。人的財産は時間もかかり成功法もありませんが、先生がよく口にされるのは、「情けは人の為にならず、ちゃんと回り回って返ってくるものだから」と、真理をついている言葉に感じます。今回のクリパは支援者の方々に声をかけると二つ返事で参加してくださり、期待以上の楽しい時間、認知症の先生が記憶として刻まれるくらいのイベントとなりました。後日談としては、実は先生、現在は体調を崩し、寝たきりでの生活を余儀なくされています。そのベッドの中であっても、「パーティ楽しかったね、またやろうね」の言葉が出てくるとは…心を震わされる、そんな心持ちです。自身の生きる糧になりうることは言うまでもありませんが、それ以上に私たちが支えられているのです。

バーチャルシェアハウス オハナなおうちは、みんなの居場所です。今日も楽しい時間をありがとうございました。会えてうれしかったです。いつでも寄ってくださいね。リビングルームにはコメント欄がありますので、何かリアクションしていただけたら励みになります。お気をつけてお帰り下さいね。また、お待ちしてます。

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