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オハナな管理人日誌weekly 2024.9.23→10.7

Instagramで投稿中のオハナなおうちの『オハナな管理日誌』のweeklyバージョンです。ダイジェストというより、リライトや加筆をしていることが多いかもです笑。管理人のバイアスが100%かかっておりますが、在宅看護の枝葉としての読みものとして楽しんで頂けたら幸いです。

これからの過ごし方について

《オハナな管理人日誌 2024.9.23→10.7》

これからどうなるのでしょうか?②

▶︎心臓や呼吸がとまるとき/とまっているのに気が付いたときどうしたらよいでしょうか?

旅立ちが近くなると、これまでお話のような変化が見られることが多いですが、変化がないままひっそりと旅立たれることや、見送ってもらいたい家族がそろうのを待っていたように旅立たれることもあります。それぞれがまるで旅立つ時を選んでいるようにも感じてしまいます。

リアルな在宅看取りでは、TVドラマのような旅立ちとは違うかもしれません。少しずつ呼吸が少なくなって自然と呼吸が止まり、まるで声かけたら今にも目が覚めそうな穏やかなお顔でお別れすることをたくさん経験してきました。聴覚は最後まで保たれていると言われています。お返事がなくとも、声は届いていると私は信じています。体をなでたり口を湿らせたり、私たちも一緒におしゃべりして思い出話をすることも多いですね。寂しさを言葉にしたり、時には笑ったり、好きな音楽を流してみなさんで口ずさんだり、それは体験したものではないとわからないかもしれません、とてもとても穏やかな空気が流れるのです。

苦しさは増すのでしょうか?

この先はもっと苦しさが増すのでしょうか?

とてもデリケートな局面といえます。苦しいか、苦しくないのか。苦しそうに見えるのか、そうでもないのか。千差万別の捉え方があります。後にお話する『せん妄状態』による苦痛があることにも通じと思います。

大切なのはここにおいても、率直なお気持ちを共有することと思います。

睡眠薬や鎮痛薬を使うと寿命が縮まるのでしょうか?

⚫︎ほとんどの場合、苦しさの原因となっていることそのものが生命機能の維持が難しいことを示します。例えば「呼吸が苦しい」のは体を維持するだけの酸素を肺にとりこめない事が原因なので、睡眠薬や鎮痛薬を使わなかったとしても生命の危機が訪れます。
⚫︎睡眠薬や鎮痛薬を使った方と使わなかった方とで「いのちの長さ」に差はないことが確かめられています。
⚫︎睡眠薬そのものによると考えられる致命的な合併症は数%以下であることが確かめられいます。
⚫︎使用する薬物の量は「苦痛のとれる最小の量」ですので、「寿命を縮める量の薬物を投与する安楽死」とは全く異なる行為です。

モルヒネは寿命を縮めるんじゃないか ❌

医学的根拠は全くありません。
苦しいのを和らげるのに必要な鎮痛薬や睡眠薬をつかったとしても、そのために寿命が縮まるということはありません。

ご家族は次のことを知っておいて下さい

⚫︎一旦休まれた後も、半数ぐらいの方は意識を戻ります。
苦しくなければ
そのときお話ができることがあります。様子をみて薬を中止することもできます。
苦しければ…
医師や看護師に相談をしてください。薬の量を調節して苦痛がないようにすぐ対応します。

患者さんが休まれているときも、こんなことをしてあげてください

病状の変化があり、寝てばかり期となると、ご家族が困惑されるのは当然のことですが、捉え方はそれぞれに違います。

『意志が伝わりにくくて、返事がないことを寂しく感じる。』

『ずっと痛がっていたから、ずっと倦怠感が辛そうだったから、本人が眠らせて欲しいって希望していたから。』

『せん妄に振り回されてお互いに辛かった、せめて夜は寝てくれると安心する。』

『昨日までお話できていたのに、もっと話をしたかった、こんなに早いものなのですね。変化していく様に心が追いつかない。』

そんな様々な戸惑いのご家族の思いの中、私たちは、いつもと変わらずにお声をかけ、いつものおしゃべりをしながら、いつものケアを続けます。好きな音楽を一緒に楽しむこともあります。ご家族とのおしゃべりの輪にも入っていただきます。手足をマッサージをしながらも多いですね。嫌な気持ちのときは眉間に皺がよります。心地よければ穏やかなお顔をされています。乾いた口内に好きな飲み物をスポンジに含んでいただくこともあります。

ある方は誕生日には「みんなでおむすびを食べたいね」とおっしゃっていました。残念ながら当日は昏睡状態でしたので、ご本人にはおむすびを握りしめてもらって、ご家族と私たちみんなで囲んでお誕生日の歌を歌い、ワイワイお祝いしました。おいしいねとにぎやかな空気の中、ご本人には果汁やケーキ、漬物(!)を味わっていただくと、やはり表情は緩みます。旅立たれた後に、そんな時間がご家族の心の拠り所になることもあります。

まとめ

バーチャルシェアハウス オハナなおうちは、みんなの居場所です。今日も楽しい時間をありがとうございました。会えてうれしかったです。いつでも寄ってくださいね。リビングルームにはコメント欄がありますので、何かリアクションしていただけたら励みになります。お気をつけてお帰り下さいね。また、お待ちしてます。

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