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【そっとケアQ #7】介護疲れを感じたら試してほしい!心身の限界を防ぐ“レスパイトケア”の使い方

介護疲れのサインを見逃さない!

なぜ「休むこと」が大切なのか

介護をしていると、「自分が倒れたらどうなるんだろう」と、不安になる夜があるかもしれません。
実はその気づきこそが、“SOSを出すサイン”に気づけている証なんです。

厚生労働省の調査では、同居で介護をしている人のうち、約7割がストレスを感じていると答えています。
頑張りすぎると、心身がすり減り、共倒れやうつ状態につながることもあります。

心身の限界を回避するための「レスパイトケア」

そんなときに力になってくれるのが、レスパイトケア(Respite care)
Respiteとは「一時休止」「ひと息つくこと」という意味です。
介護者が公的な介護サービスを利用し、一時的に介護から離れて休息をとる──それがレスパイトケアの目的です。

今回はおうる先生と一緒に、レスパイトケアの知識を学んでいきましょう🦉

Q. 介護の疲れを感じたとき、まず優先すべきことは?

介護をがんばりすぎてヘトヘト…。どうしたらいい?

A. 完璧な介護を目指して、頑張り続ける

B. ひとりで抱え込まず、地域のサービスを使って休む

C. 趣味の時間を削って、できるだけそばにいる

答え:ひとりで抱え込まず、地域のサービスを使って休む。

介護を続けるためには、「介護者が元気でいること」が何よりの土台です。
レスパイトケアは、介護者が笑顔でいられる時間を取り戻すための大切な仕組み。
自分のための時間を取ることに、罪悪感はいりません。

介護はマラソンのようなもの。
“頑張り続けること”より、“休むしくみを持つこと”が、続ける力になります。
ショートステイやデイサービスなどの「レスパイトケア」を上手に使って、心と体をひと休みさせましょう。

正解は… B じゃな。
おまえさんの休息も、立派なケアのひとつなんじゃよ。

レスパイトケアの二本柱

1.ショートステイ(短期入所生活介護)

介護施設などに短期間宿泊し、入浴・食事・排せつなどの介護やリハビリを受けられるサービスです。夜間の介護からも解放されるため、介護者がしっかり休めるのが大きな特徴。

🌼 こんなときにおすすめ

  • ⚫︎自分の体調を整えたいとき
  • ⚫︎冠婚葬祭・旅行などで家を空けるとき
  • ⚫︎ひとりの時間を取りたいとき

💡 利用のポイント
⚫︎介護保険を使うと、自己負担は原則1〜3割。
⚫︎同一施設では30日までが保険対象、それを超えると自己負担になります。

2.デイサービス(通所介護)

日中、施設に通って過ごすタイプのサービスです。
入浴・食事・リハビリ・レクリエーションなどを受けながら、
介護者はその間に買い物や休息の時間を確保できます。

🌼 こんなときにおすすめ

  • ⚫︎日中だけでも介護の手を休めたい
  • ⚫︎本人の生活リズムを整えたい
  • ⚫︎自宅での閉じこもりを防ぎたい

送迎がついているので、家族が送迎を気にする必要もありません。
利用者にとっても「外の空気を吸う時間」が、生活の張り合いにつながります。

🦉おうる先生のやさしい解説

ふぉっふぉっふぉ、よくぞ聞いてくれたのぅ。
レスパイトケアとは、介護者が“休むことを許される仕組み”なのじゃ。

介護を続けておると、
「私が休んだら申し訳ない」「迷惑をかけてしまう」──
そんな気持ちが芽生えるのは自然なことじゃ。

じゃがのぅ、
無理をしないこと”こそが、ほんとうのやさしさなのじゃよ。

ケアマネジャーに「少し休みたい」と伝えるだけで、
ショートステイやデイサービスの利用がすっと進む場合もあるんじゃ。

  • ⚫︎介護保険は“介護を受ける人”だけでなく、“介護をする人”を支えるためにもある
  • ⚫︎ケアマネさんは、介護者の味方でもある
  • ⚫︎休むことは、逃げではなく“次の笑顔”の準備なのじゃ

ふぉっふぉっふぉ、
ひと呼吸おいて、また笑顔で“おかえり”と言えるようになれば、それで十分じゃ。

サービス利用の流れ

① 要介護認定を受ける

介護保険サービスを使うには、市区町村に申請して要介護1〜5または要支援1〜2の認定を受けます。

② ケアプランをつくる

認定後は、ケアマネジャー(介護支援専門員)が中心となり、
利用者や家族の希望を聞きながらサービス計画(ケアプラン)を作成します。
「介護者の休息」も立派な目的としてケアプランに組み込むことができます。

③ 費用の目安

介護保険適用時の自己負担は原則1割(所得により2〜3割)。
ただし「区分支給限度基準額」(上限)を超えると超過分は全額自己負担になります。

🌿もし、限界を感じたら…

介護疲れは「がんばりすぎている証」です。
無理を重ねるより、「少し手を離して深呼吸すること」が、介護を続ける力になります。

💬 相談できる場所

  • ⚫︎ケアマネジャー(ケアプランの見直し相談)
  • ⚫︎地域包括支援センター(在宅介護の総合窓口)
  • ⚫︎家族会や介護者サロン(同じ立場の仲間)

話すことで、心が軽くなることもあります。
「話す」こと自体が、もうひとつのレスパイトなんです。

🏠オハナの縁側から、ひとこと

「あなたの休息も、大切なケアのひとつです。」

ひとりで背負わなくていいんです。
「ありがとう」と言われるあなたこそ、まず“ありがとうを受け取る時間”を。
そのやさしさが、また明日につながっていきます。

出典:厚労省など公式情報に基づく内容を整理しています。

次回は「認知症の“物盗られ妄想”にどう対応する?」
共感が心をほどくキーワードです。おうる先生に解説してお願いしましょー。

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